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携帯電話の電波を吸収する磁性木材−岩手大の岡助教授ら開発
IT】発信:2002/12/02(月) 14:56:51  

   携帯電話の電波を吸収する磁性木材が岩手大工学部の岡英夫・助教授らの研究グループによって開発され、国際的に大きな注目を集めている。このハイテク木材は、磁性粉末と接着剤とを一定の比率で混合し、木材と複合化したもので、これを使った建物内、例えば病院や劇場、レストランなどで、信号妨害機という手段をとらずに携帯電話を使えなくすることが可能になる。

   地球に優しく再生産可能な原材料として、木材は、近年あらためてその評価が高まってきている。木質材は加工容易性やそのソフトな感触から床、壁、ベッド、食器など日常生活に不可欠な建材あるいは家具の素材として広く用いられている。

   一方、安価な輸入木材が大量に流入している今日、国内の木材業界関係者からは高付加価値の木質材が強く要望されている。また、利用価値の低いおがくずや廃材を有効に利用することが提案されており、さらに、磁気応用分野では磁気情報記録媒体の廃棄および磁気応用の研究開発により新たな産業分野の開拓に期待が寄せられている。

   こうした事情を踏まえ、岡助教授らの研究グループは、以前からさまざまな磁性木材の考案・試作に取り組んできた。その製造法には、磁性粉体と塗料とを混合した磁性塗料を木材上に塗布、乾燥させてつくる方法。次は、木材に磁性粉体と木粉を混合し、圧縮して作製する方法。さらには、磁性流体を木材に減圧加圧含浸する方法など、さまざまな方法が提案されている。

   岡助教授らは、これらの製造法によって磁性木材を作製、携帯電話で使用される900メガヘルツから一・八ギガヘルツ帯の周波数について検討を行った。これは、ブルーツールや最新のIEEE802.11スタンダードすなわちWiFiとして知られている無線ネットワークの周波数をもカバーするものである。数十種ある磁性体(フェライト)のうち、用いられたのはNi-Znフェライト(ニッケル亜鉛フェライト)。

   こうした磁性木材が電波をカットできるのは、電界と磁界からなる電波が木材にあたると、磁性体が持つ磁気損失特性により磁界が消失して熱に変換、吸収されるためである。

   ゴムやプラスチック製の電波吸収体はこれまであったが、木目の美しさや吸湿効果を生かしたまま、強力に電波を吸収できる木材の開発は世界でも初めてのことである。 岡助教授は「とくに海外における関心の高さに驚いている。今後は、実用化を目指し、企業などとの連携を図っていきたい」と述べている。



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