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NYテロ災害を総合的に検証
【その他】発信:2003/02/24(月) 09:15:45
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2001年9月11日朝、ニューヨークの世界貿易センタービルに航空機二機がつっこんだテロ事件は未だ世界中の人々の記憶に新しいことだ。1.35億平方メートルのオフィス空間と3000人以上の人命を一瞬のうちに奪った。この事件は、テロということのほかに、複雑化した都市機能がもつ脆弱性を凝縮した新しい災害ともいわれている。しかも、決して他人事ではない。30人以上の邦人の命も奪われ、保険会社の連鎖倒産にまで発生しているだけに、世界のどこの都市でも起こりうるテロ災害でもある。そこで、文部科学省では、科学技術振興調整費を用い日米共同による『米国世界貿易センタービルの被害拡大過程、被災者対応等に関する緊急調査研究』)(研究推進委員長、河田恵昭・京大防災研究所巨大災害研究センター長)を実施した。
同研究は、世界貿易センタービル地区の都市環境被害の実態や復興過程の分析、グラウンドゼロ地域での災害対応過程の分析、日系企業および日本人旅行者の対応などを現地調査中心に総合的な検討を加えた。
<企業・旅行者の対応>
超高層ビル群が立ち並ぶ高密度な業務空間において大規模な災害が発生すると、個々の建物からの避難に一時間以上を要し、また建物脱出後にも群集が溢れ避難空間や歩行空間が十分取れない事態が起こる。とりわけ在NY日系企業は、発災直後から現地での判断・意思決定が尊重され、日系企業同士の協力が、心的打撃の大きい社員や社員の遺族への対応など様々な場面で大きな力となった。
日本人旅行者の安全確保と帰国までの災害過程では、団体旅行者より個人旅行者の割合が高くなった現在、旅行者自身がリスク負担の自己責任の範囲を認識していないことにより様々問題が生じていることが分かった。ただ、テロという外力により、航空会社や旅行代理店が本来負う義務のない顧客対応を献身的に行ったことで、当時NYを始めアメリカ各地にいた旅行者は大きな混乱もなく無事帰国を果たしていたことが明らかとなった。
<広域的な影響>
このテロ事件では、55カ国と地域の人々を犠牲にし、被害額は日本円にして15兆円に及ぶとニューヨーク市は発表している。また、世界の金融経済の首都に起きた災害は損害保険および世界経済に大きな影響を及ぼしている。特に、世界経済の中核であるNYが被災することで、人的被害だけでなく経済の面でも広範で甚大な影饗が発生した。言い換えれば、局所的な被害と広域的な損出の双方を伴う甚大な災害と定義でき、これもこれまでの災害にない新しい特徴となっている。
日経平均、英国FTSE100、米国Dow JonesとNASDAQの4つの平均株価指標を手がかりに分析すると、9・11の影響は米国の平均株価に大きく、そして半年にも及ぶ長期的な影響を与えていることが明らかになった。また,英国や日本でも米国ほどの規模ではないにしろ、災害発生から2カ月程度影響が認められた。
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