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超偏極キセノンガス製造装置の実用機を開発
【その他】発信:2003/03/04(火) 09:19:48
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産業技術総合研究所光技術研究部門(小林直人・部門長)は東横化学と共同で、自動化された超偏極キセノンガス製造装置の実用機を開発した。今回の開発は、産総研産学官連携部門の「中小企業支援型研究開発制度(技術シーズ持込み評価型:産総研特許の技術移転を目指した実用化共同研究)」により実施されたもの。産総研が開発した「連続フロー型スピン偏極キセノンガス製造装置」に、東横化学の高純度ガス供給技術やガス系制御技術、半導体製造装置レベルのクリーン化技術、高精度圧力制御技術などを導入することで、高偏極率の超偏極キセノンガスをバッチ式で連続供給することを可能とした実用機を完成させた。
ルビジウムが封入されたパイレックスセルに、キセノン/窒素の高純度混合ガスを供給し、MRI装置の洩れ磁場下において794.7ナノメートルの半導体レーザー光を照射することで、一回に約3百ccの超偏極キセノンガスを連続的に取り出すことを可能にした。産総研つくば東事業所に設置してある「2T―MRI装置」を利用して評価実験を行った結果、14日間の長期運転試験において、30cc注射筒約百本に偏極率5%以上の超偏極キセノンガスを連続して採取することに成功した。
超偏極キセノンガス製造装置は、原料となるキセノン/窒素混合ガス及びパージ用窒素ガスのシリンダー収納部、圧力制御部、超偏極キセノンガス生成部及びシステム制御部により構成される。システム制御部には対話式のタッチパネルが装備され、各操作を誤りなく行うよう考慮されている。シリンダー交換やセル交換後の大気成分のパージアウトは全て自動運転により行われる。また、NMRの磁場方向によりセルの配置変更ができオプションで別置き架台に偏極専用の磁場も装備可能。ルビジウム封入パイレックスセルは、φ60×100ミリメートルの円筒状のもので、原料となるキセノン/窒素混合ガスの入口及び超偏極キセノンガス出口となるバルブ2個を装着してある。このパイレックスセルの内壁面に、ルビジウムの酸化を防止して真空中でルビジウムを移送析出させた。
今後は、東横化学が主体となって、産総研で改良を進めている「連続フロー型高効率偏極エンジン」をこの装置に融合することで、偏極率及び単位時間当りの製造量を増大させ、さらなる自動化を進め、臨床検査技師やNMR/MRI装置のオペレーターでも簡単に操作が行える最終的な「自動化された連続フロー型超偏極希ガス発生装置」として完成させる予定。また、今回開発した実用機によって、触媒など多孔質体の微少な空洞を持つ物質中での空孔サイズ分布やガス動態の解析、高炉用耐火煉瓦内部の“す”の画像化など、産業分野用途への応用研究を行うことも予定している。さらには、高精度肺機能診断を瞬時に行うことが可能な医療機器や、高精度で迅速な脳内血流の画像化による脳梗塞予防診断技術の実用化を目指して、国内外の医療技術研究機関との共同研究に発展することが期待される。
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