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覚せい剤および覚せい剤原料の由来を探る
【その他】発信:2003/06/06(金) 11:38:15
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関税中央分析所関東信越麻薬取締部の倉嶋直樹・分析官と牧野幸子・鑑定官らの研究グループは、覚せい剤の流通ルートを探るために、覚せい剤の一つであるメタンフェタミンと、その前駆体であるエフェドリンやこれを含む麻黄の炭素と窒素の安定同位対比のわずかな違いからその「由来」を探る方法を開発した。麻黄はマオウ科の植物で、咳止め薬などに使用されているエフェドリンの原料であり、覚醒剤メタンフェタミンは、フェニルアセトンまたはエフェドリンを前駆物質に、様々な合成法により密造されていることが牧野・鑑定官らの研究によって明らかになっている。前駆物質の由来を知ることは、覚醒剤の流通を監視する上で重要であり、由来を知ることで、これまでのプロファイリングと併用してより詳しい調査が可能になるという。
研究グループは、安定同位体比質量分析計に元素分析計を直結したシステムを用い、麻黄、エフェドリン及びメタンフェタミンの炭素安定同位体比(δ13C)および窒素安定同位体比(δ15N)を測定した。実際の測定は、スズ箔に包んだ試料を酸素雰囲気下で燃焼させ、生成したガスを酸化触媒と還元触媒により二酸化炭素と窒素とし、これらを分離カラムで分離した後、安定同位体比質量分析計により検出した。
測定の結果得られた麻黄のδ13Cはマイナス29〜マイナス24‰、δ15Nは1〜8‰で分布し、麻黄の生育地により異なる値を示した。黄麻から抽出したエフェドリンは、原料の黄麻に比べ、δ13Cでマイナス3〜マイナス4‰、δ15Nでプラス2〜プラス4‰の値を示し、原料の黄麻の値をある程度反映した値となった。メタンフェタミンとその原料のエフェドリンのδ13Cは、化学合成品と麻黄由来品では差異は無かったが、δ15Nに明らかな差異があった。メタンフェタミンのδ15Nから、前駆物質のエフェドリンが化学合成品と麻黄由来のものかを容易に判別することが可能になった。
倉嶋・分析官は「我々の最終的な目標は、麻黄の栽培されている地域を特定することとしています。地域が特定できれば、より詳しい覚醒剤の流通ルートを解明し、調査に役立てることができると考えられます」と語り、研究を続けるという。
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