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膀胱ガン検査技術、初期検知可能
バイオ】発信:2003/06/09(月) 13:32:31  

   従来の臨床検査は、一般に単一の因子を対象として疾病の有無を診断するが、疾病の進行度など病態の把握が難しい場合もあるため、疾病の有無だけでなく、病態把握が正確かつ簡便にできる技術が望まれていた。

   福山臨床検査センターはこのほど、吉里勝利・広島大学大学院理学研究科教授らの研究成果であるプロテオーム解析法による疾病検査システムの開発に成功した。JSTの委託開発事業で行われた。

   このシステムは、ヒトが持つタンパク質のセットであるプロテオームの情報を解析することで疾病を検査することができる。健常人と患者では体内に現れるタンパク質に違いがあるため、その違いを解析することで病態を把握する。具体的には、膀胱ガンの指標となるタンパク質をヒト尿中からゼラチンビーズにより回収し、回収尿検体のタンパク質二次元展開パターンにおける各診断スポット有無から膀胱ガンの有無の診断を、各診断スポット強度の合計値を診断スコアとし、スコアの数値から膀胱ガンの進行度を診断する。

   実際には、@尿検体を透析により脱塩し、Aゼラチン固定化ビーズと反応させ、吸着するタンパク質群を得、B二次元電気泳導法でタンパク質を分離、C検出したフィグロネクチンとその断片、二種類のマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP―2、MMP―9)の各スポットの強度を測定し、それらの総和値(診断スコア)から病態を把握する。

   これまでの膀胱ガン診断の尿検査では、単一の腫瘍マーカー検査や細胞診を行っていたが、ガンの進行度が低い状態では陽性判定にならない場合があった。今回開発した技術では複数のタンパク質情報から診断するため初期ガンの検知が可能であり、ガンの進行度をも診断できる。

   膀胱ガン患者は毎年人口10万人あたり17人程度新たに発生し、ほとんどが50歳以上で、女性より男性で3倍から5倍ほど発生頻度が高い。また、治療後の再発率は一年以内で50%、3年以内で80%と非常に再発しやすいガンとしても知られている。今回開発したシステムは、膀胱ガン再発のモニタリング検査や、膀胱ガン患者を対象とした進行度判定への利用が期待される。



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