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可視レーザー光で50nmピット、光ディスク原盤の実用化目指す
【IT】発信:2003/10/07(火) 10:11:05
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〜熱分布利用して高速微細加工〜
独立行政法人産業技術総合研究所の近接場光応用工学研究センターおよび韓国サムスン電子(株)のデジタルメディアR&Dセンターは共同で、光ROMディスク上にデータを記録するためのピットの作製技術として、可視レーザー光の照射で発生する熱により微細なドットパターンを形成する熱リソグラフィー法と、新規の薄膜材料を用いることで、最小50nmサイズのドットパターンを作製することに成功した。熱リソグラフィー法では、これまで100nm以下の大きさの構造作製は困難とされていたが、今回は新規材料として熱体積変化膜を用いたのがポイント。両者は今後も研究を進め、低コストのリソグラフィー技術として超高密度光ROMディスク原盤作製技術への実用化を目指す。
通常、光ROMディスクは原盤と呼ばれる金型から射出成型で作製される。この金型にはピットと呼ばれる小さなくぼみがあり、これがディスクに転写され、そのピットを元に映像や音楽が再生される仕組みである。市販されている代表的な光ROMディスクとしてDVD−ROMがあるが、このピットの大きさは約400nmである。さらに、将来の超高密度光ROMディスクでは、その大きさが数十nmになる見通しで、今後はピットサイズ100nm以下の微細加工が要求される。
しかし、このサイズのピットを作製するための「リソグラフィー技術」としては、400nmのピットなら紫外線を用いて可能だが、サイズ数10nmとなると、通常、深紫外光などの短波長の光や電子線を用いなければならない。ただ、これらはコスト高になるという問題がある。光リソグラフィー法では短波長のレーザー光源や新規の光学系材料の開発、電子線リソグラフィー法では、真空雰囲気や高電圧等の設備・装置が必要で、これら開発費や大型装置は非常に高価であり、結局は装置及び加工品のコスト高を招く結果となる。また、近接場光顕微鏡を用いたリソグラフィー法もあり、高価な光源を使わず、可視光で100nmサイズのリソグラフィーを実現しているが、これも描画速度が遅く、実用的ではない。そこで、低コストで実用的なリソグラフィー技術が求められてきた。
今回の成果は、以前から研究を進めてきた、可視レーザー光の照射で発生する熱によりドットパターンを形成する熱リソグラフィー法と、新たに利用した新規材料であるテルビウム・鉄・コバルトと酸化シリコン・硫化亜鉛を用いた熱体積変化膜により、50nmサイズのドットパターン作製に成功したものである。
熱リソグラフィー法は、光スポット内の温度分布を利用した技術で、ある温度以上の領域をスポットの大きさより小さくすることができるため、その領域内で化学的、物理的な反応を起こさせることで、微細なリソグラフィーが実現できる。しかし、これまでの開発では、100nm以下の大きさを持つ構造作製が困難なことや、結果の再現性に難があるといった問題があった。
そこで今回は、新たな材料を見いだし、これを薄膜構造とすることでそれら欠点を克服した。新規に用いた二つの材料は、加熱によって相互拡散し、また拡散後には体積が膨張するという性質があり、微小領域にのみこの現象を発生させることで、極微細なリソグラフィーを実現している。
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