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アルツハイマー病の実験的遺伝子治療に成功、理研
【バイオ】発信:2004/02/24(火) 14:22:15
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理化学研究所(野依良治理事長)脳科学総合研究センター神経蛋白制御研究チームの西郷隆臣チームリーダー(TL)、岩田修永副TLらは自治医科大学と共同で、アミロイドβペプチドの分解作用を持つネプリライシン遺伝子を、アルツハイマー病モデルマウスに導入する遺伝子治療に成功した。遺伝子導入されたマウスは、アミロイドβの増加が完全に抑制され、特に海馬でのアミロイドβの沈着抑制が顕著だったという。
アルツハイマー病の治療は最近、患者の脳内アセチルコリン(Ach)濃度が低下するという共通の現象“アセチルコリン仮説”から、Ach分解酵素阻害剤が用いられることが多い。だた、対症療法で病気の進行を防ぐことはできないとされる。西郷TLらは、アミロイドβペプチドが病因と捕らえて研究を進め、アミロイドβを脳内で分解する作用を持つ中性エンドペプチダーゼ“ネプリライシン”を世界で初めて発見。今回この酵素活性を脳内で高める遺伝子治療の開発を進めた。
実験では、ヒトの遺伝子治療で既に使用されているアデノ随伴ウイルスベクターにネプリライシン遺伝子を組み込む仕組みで、ネプリライシンKOマウスの脳内に注射して導入した。導入後三ヶ月にこのマウスの脳内アミロイドβの増加量を観察した結果、脳全体で、三割程度も減少していたことがわかった。特に、沈着が激しく病気の進行につながる海馬では、約五割弱程度も抑制されたことを確認。アミロイドβの量を生化学的に調べたところ、野生型マウスと同じレベルまで抑制されていたほか、ネプリライシンの活性は導入後6ヶ月でも十分に持続していた。
この成果は、人為的にネプリライシン活性を高めれば、アミロイドβの蓄積を効果的に抑えられることを意味している。アルツハイマー病モデル動物での実験的な遺伝子治療だが、副作用も確認されておらずヒトの臨床応用への可能性も高いという。岩田修永・副TLは「ネプリライシンの導入量を増やせば、より効果的な抑制が見られると思います。実験での導入量はかなり少ないので、効果的で適正な用量を見極めてヒトへの臨床につなぎたい」と強調した。
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