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NICTとMPQ、世界初の時間波形制御単一光子列の生成に成功
【IT】発信:2004/12/14(火) 10:49:02
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情報通信研究機構(NICT)は、ドイツのマックスプランク量子光学研究所(MPQ)と共同して、時間波形の制御された単一光子列を発生することに世界で初めて成功した。単一光子の時間波形制御は、量子コンピューター間をつなぐ量子ネットワークの実現等に欠かせない重要技術であり、NICTでは開発した制御方法を今後さらに発展させるため、今回のものに改良を加えた実験装置を関西先端研究センター内に整備し、MPQなど国内外の研究機関との協力を強化して研究を実施していく考えだ。今回の成果は、10月の英国科学誌「ネイチャー」で発表された。
単一光子の時間波形制御は、量子情報の基本単位である量子ビットを原子と光子の間で交換するための最も重要な技術の一つである。原子と光子の間で量子情報が交換できると、量子コンピューター間の量子ネットワークや、ネットワーク決済に欠かせない高度な時刻同期を保障する量子時刻同期などの応用が可能になるという。
光の最小構成単位である光子は、複製が不可能であることや同時に二つの状態を取ることができるなどの顕著な量子力学的性質を持ち、盗聴を完全に防げる量子暗号技術を用いた量子情報通信の理想的な情報キャリアーの一つとされている。
ただし、レーザーなど通常の光の発生方法では光子が集まって発生するため、時間的に離れた一つひとつの光子を連続的に発生させる「単一光子列の生成」には特別な方法が必要とされている。その方法としては、これまでに半導体量子ドットや固体中に埋め込んだ単一分子などの単一のミクロな発光媒質を用いて、単一光子列を生成できることが確認されている。
しかし、これら従来の方法では、発光媒質が自発的に光子を発生する自然放出の発光メカニズムを用いており、生成される光子の時間波形を制御することは原理的に不可能であった。
MPQの研究施設で行われた今回の実験では、イオントラップと呼ばれる装置を用いて、真空中に固定した単一のカルシウムイオンを発光媒質とし、光共振器を用いた誘導放出と呼ばれる発光メカニズムにより、時間波形の制御された単一光子列を発生することに成功した。
これは、(1)単一のカルシウムイオンをイオントラップ直流電極で制御し、光共振器の中心に数10ナノメートルの精度で装填する、(2)イオンはイオントラップ装置の束縛力により、光共振器の中心に一時間以上留まるため、引き金となるトリガーレーザー光をイオンに照射することで、単一光子が光共振器の外に発射される、(3)トリガーレーザー光を繰り返し照射することにより単一光子列を発生する、という方法である。
これにより、トリガーレーザー光の時間波形を変えることで、設計したとおりの時間波形の単一光子列が、数時間にわたり安定して発生できることが検証できた。
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