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ナノテクでガン治療への応用可能性を示唆・産総研石川氏ら
【ナノテク】発信:2004/12/16(木) 13:17:58
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産業技術総合研究所単一分子生体ナノ計測研究ラボ(馬場嘉信ラボ長)の石川満副ラボ長、大庭英樹主任研究員、ルミアナ・バカロヴァ研究員らは、直径3nmのナノ粒子にガン細胞を特異的に認識するレクチンを結合したナノ材料を開発した。さらに同材料を培養したガン細胞に添加して細胞中に効率よく取り込まれることを確認し、ガン治療に応用できる可能性を世界に先駆けて明らかにした。この成果は米科学雑誌『ネイチャー・バイオテクノロジー』の11月号に掲載された。
このナノ粒子は量子ドットと呼ばれ、セレン化カドミウムの半導体材料。紫外線の照射で緑色発光することが知られ、薬剤などと結合すれば生体内の薬物動態などに適用できると期待されている。ただ生体分子との適合性が悪いため、応用が難しい課題があったが、石川副ラボ長らは生体適合性の化合物で包み込んで生体に取り込む手法に着眼。特にガン細胞に特異的に取り込まれるようにする技術開発を進めた。
実験では、まずガン細胞表面に特異的に発現している糖鎖に注目。これを認識するレクチンとナノ粒子とを融合する技術を開発した。さらに、この融合材料を培養したガン細胞に添加し、紫外線照射による発光の度合いからガン細胞への集積度を調べた。その結果、ガン細胞の表面や内部にこの融合材料が効率よく添加されることが確認された。対照で実施した正常細胞への添加では、細胞に糖鎖が発現していないため作用せず、ガン細胞と正常細胞の認識に役立つことを突き止めた。
また、この融合材料が取り込まれた細胞に紫外線を照射し続けると、照射強度に依存するもののガン細胞のみにアポトーシスを誘導することに成功した。そのメカニズムも、紫外線照射で融合材料中から発生する活性酸素によることも示唆されたとしている。
ただ、今のところ細胞レベルでの実験で、石川副ラボ長は「可能性は大いにあるが、今後はこれに基づいて広く共同研究を求めて、研究を進めていくことが重要である。動物実験、臨床試験などに、早く移行していきたい」と協調した。
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