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塗布法でn型有機TFT作製優れた特性を達成
【IT】発信:2004/12/17(金) 15:02:32
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産業技術総合研究所の光技術研究部門は、優れた電子移動度を持ったn型有機薄膜トランジスタ(有機TFT)を、材料を溶液に溶かして塗る「塗布法」で作製することに成功した。これにより、トランジスタの低コスト・大面積化が可能となり、プラスチックなどフレキシブル基板上への印刷法による有機デバイス実用化を加速すると、同研究所では期待している。
半導体は、キャリアの電気的な正負の性質から、正の電荷を持つ正孔(ホール)が電流を伝えるp型半導体および負の電荷を持つ自由電子が電流を伝えるn型半導体に区別される。しかし有機半導体においては、塗布法で作製できる優れたn型半導体特性の有機半導体材料がなかった。
一方、サッカーボール型構造で知られるフラーレン(C60)は、n型半導体特性を示す有機半導体材料として超高真空中での製膜により、アモルファスシリコン並みの電子移動度を達成しているが、その作製法では大面積化が困難であるばかりではなく、製造プロセスが高額になるという問題があり、生産コストの低減や大面積化への対応が可能な塗布法での作製法の開発が求められていた。
そこで産総研では、n型有機半導体材料としてフラーレン誘導体C60MC12を合成し、塗布法(スピンコート法)による製膜においても、良好な結晶性薄膜が作製できることを今回見出した。また、このC60MC12を用いて有機TFTを作製し、性能評価の結果、塗布法で作製されたn型有機半導体としての最高値0.067cm2/Vsの電子移動度を達成した。
電子移動度に優れたn型有機半導体は、すでに多くの成果が得られているp型有機半導体と組み合わせることで、トランジスタやメモリーへの応用における電子回路設計の自由度を向上させるだけでなく、印刷法による有機デバイス実用化の加速につながる。
産総研は今後、フラーレン誘導体の薄膜の結晶性をさらに向上させることで、塗布法によるn型有機TFTの特性向上をはかるほか、開発したn型有機TFTをp型有機TFTと同一基板上に作製することで、塗布法による有機相補型MOS(CMOS)回路を作製していく予定である。
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