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胃で見つかったホルモンがインスリン分泌を制御、自治医科大解明
【バイオ】発信:2005/01/27(木) 15:38:38
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自治医科大学医学部生理学講座の矢田俊彦教授、出崎克也助手らは、5年前に胃で見つかった『グレリン』と呼ばれるホルモンが、インスリン分泌を調節していたことを世界で初めて明らかにした。特に、グルコースで誘導されるインスリン分泌を抑さえる。糖尿病を伴う肥満者では血中グレリン値が低下しており、肥満に起因した糖尿病の発症の成因の一つである可能性も出てきた。この成果は、米国糖尿病学会誌『ダイアベーテス』の12月号に掲載された。
日本人の糖尿病患者は予備軍を含めると1300万人以上にのぼるとされ、対策が最も求められる生活習慣病の一つ。特に、肥満を伴う糖尿病患者では最近、グレリンの血中濃度の低下と空腹時の高インスリン値、U型糖尿病の発症率とが相関するというコホート研究が注目されている。
矢田教授らは、グレリンの成長ホルモン放出、摂食亢進などの機能が報告されたことから、エネルギー代謝、グルコース代謝などインスリンの役割との関係性に着目。膵臓ランゲルハンス島(膵島)β細胞でのグレリンとインスリン分泌との相関を調べた。
実験では、グレリン中和抗体や受容体阻害剤を用い、マウスのグルコース負荷試験や空腹時血糖値、ラットの分離膵島のインスリン分泌などに対する内因性グレリンの作用抑制といったグレリン投与の効果を調べた。その結果、グレリンは膵島細胞にも存在し、β細胞受容体に結合することでインスリン分泌が抑えられ、これに伴って血糖値も上昇することが分かった。また、β細胞内のカルシウム濃度の上昇を抑制することも確認された。これにより内因性グレリンが、グルコース誘導性のインスリン分泌や、β細胞内のカルシウム量の調節に機能していることが明らかになった。
U型糖尿病患者の多くは、高インスリン血症を経て糖尿病を発症している。この成果からは、グレリンのインスリン分泌抑制機能の低下が高インスリン血症の成因の一つになるとする仮説も立つ。さらに、グレリンの働きを維持する治療が可能になれば、糖尿病予備軍、特に高インスリン血症を示す患者に有効になることが見込まれ、糖尿病の発症予防と治療への展開が期待される。メタボリックシンドロームの発症機構や病態の解明にも結びつく可能性もあるという。
矢田教授は「この成果により、グレリンは成長ホルモン分泌や摂食亢進作用とともにインスリン分泌を調節し、生体内のエネルギーホメオスタシスを調整していることが分かってきた」とまとめている。
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