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ITER建設、EUに決定、日本は準ホスト国
【その他】発信:2005/07/21(木) 00:15:23
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日本と欧州連合(EU)とで国際熱核融合実験炉(ITER)計画の建設誘致を競っていたが、6月28日、関係六極(日本、欧州、ロシア、米国、中国、韓国)閣僚級会合がモスクワで開かれ、日本は正式に誘致を断念し、実験炉は南フランスのカダッラシュに建設されることが正式に決まった。
また、会合では、ITER機構の設立、建設地(サイト)、費用負担等に関する合意内容を明記した共同宣言が発表された。6極は年内にも正式な合意文書への調印にもっていきたいとしている。計画が順調に進めば、10年後に実験炉は完成する予定で、以降20年にわたり研究が行われる。実験炉建設費は約5700億円、今後30年間の総事業費は1兆3000億円。
会合に日本から代表として出席した中山成彬・文部科学大臣は「サイトの誘致のために今以上財政負担をするとこは困難であることなどを総合的に勘案し、誘致断念を判断した。ただ、ITERの準ホスト国としての地位を確保できるとともに、ホスト国である欧州と並ぶ重要な国際研究拠点となるなど、十分に国益を守ることができると考える。それだけに、ITER計画の成功に向け、各極と協力しつつその役割をしっかりと果たしていきたい」と語った。
会合でまとめられた共同宣言の主なポイント。 <ITER実施の枠組み> ◇ITERを実施するにあたり、6極により国際機関(ITER機構)を設置する。新しい国が参加を希望した場合、全極一致の賛成により可能。 ◇サイトはカダラッシュとするに伴い、共同文書におけるホスト国、非ホスト国は、それぞれ欧州と日本とする。 ◇参加極間の費用負担は、ホスト国が50%、その他の国は10%を負担する。 <幅広いアプローチ> ◇幅広いアプローチは日欧の二国間協力の枠組みで実施し、他の極もその研究活動に参加できる。
日本が非ホスト国、いわば準ホスト国の地位となったことで、ホスト国と並ぶ核融合研究開発の国際拠点として、世界に貢献する主要な役割を担うことになる。特に、幅広いアプローチの実施、ITER本部機能の一部の設置、ITER機構長の推薦などを通して指導的な役割を果たす。
幅広いアプローチとしては、ITER遠隔実験研究センターの設置、核融合科学シミュレーションセンターの設置、次世代炉(原型炉)の国際研究チームによる設計研究などで、こうしたプロジェクトを速やかに検討し、実施に移していくとしている。また、次世代炉が国際協力で行われる場合には、日本が実績を積んでいくことで、建設候補地を提案すれば、欧州はそれを支持することになった。
また、非ホスト国になったものの、ホスト国からの協力を得て、核融合分野における技術の蓄積および人材の育成などの面で、投資効果の高い活動ができるとしている。
その効果としては、建設経費5000億円の10%、約500億円の負担で、20%相当分約1000億円のITER関連機器・装置の製作に責任を持つことになる。ITER機構への研究者等派遣枠も、機構長といったトップばかりでなく10%の負担で全体の20%に相当する研究者の派遣が可能となった。幅広いアプローチについては、約460億円の負担で約920億円相当の関連施設の建設や事業を日本で行うことができることになった。
ITERサイトの決定については、6月29九日の原子力委員会の臨時会議でも議題となり、委員から「”名を捨て実をとった”ということいなのわけで、これからが本当のスタートということで、計画が円滑に推進していけるよう日本としての責任を果たしていって欲しい」といった意見が出された。
※国際熱核融合実験炉(ITER)計画=ITERは強い磁場によって超高温プラズマを生成し保持するトカマク方式の装置。ドーナツ状の真空容器内に燃料である重水素とトリチウムの混合ガスを注入し、放電により電離ガス(プラズマ)を作くる。さらに外から粒子ビームや電磁波を入射して一億度以上に加熱すると核融合反応が起きる。実用段階では、その反応エネルギーを熱に変えて発電をする。
一九八五年の米ソ首脳会談における核融合研究開発推進の共同声明に基づき、88年にITER概念設計活動が日本、EU、米国、ロシアの4極で開始された。92年からはITER工学設計活動が開始された。2001年にはITER調整技術活動として建設に向けた政府間協議が開始された。03年からはITER移行措置(建設着手に必要な準備)を開始。政府間協議に米国(一時撤退していた)、中国、韓国が参加、現在に至っている。
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