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躁うつ病モデルマウス作製、ミトコンドリア機能障害仮説利用
【バイオ】発信:2006/05/18(木) 23:19:48
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〜リチウムで改善、理研加藤氏ら〜
理化学研究所脳科学総合研究センターの加藤忠史チームリーダー、笠原和起研究員らは、名古屋大学と共同で、躁うつ病とよく似た症状を示す実験マウスを作製した。独自の仮説に基づき、成長とともに脳内のミトコンドリアに機能障害が蓄積する遺伝子の改変をすると、うつ状態の行動量が極端に減る様子、特定薬剤の影響による症状の増悪などが見られた。科学的根拠に基づく初めての躁うつ病実験マウスになる可能性がある。米学術雑誌『モレキュラー・サイキアトリー』に4月18日、掲載された。
躁状態、うつ状態を繰り返す躁うつ病は、日本人で約1%程度いると見積もられている。原因は決定的でなく、セロトニンなどの神経伝達物質の不安定さが指摘されるのみで、治療もリチウムなど副作用が懸念される薬物しかない。加藤チームリーダーらは今回、躁うつ病の原因を遺伝子レベルで探った。独自のミトコンドリア機能障害仮説に基づく躁うつ病実験マウスの作製で、これを確かめた。
実験では、ミトコンドリア機能異常が脳のみで発現する特殊な遺伝子改変を行い、生後マウスの行動を60週齢まで観察した。特に、ミトコンドリアDNA合成酵素を操作し、成長とともに脳内のミトコンドリア異常が蓄積する仕組みを構築した。“輪回し”というマウスが自発的に取り組む行動を指標にした結果、遺伝子改変マウスは行動量が極端に減ったほか、通常、眠る時間になっても輪回しし続けるといった不眠様の状態が認められた。
さらに、躁うつ病患者への投与で症状の増悪が見られる三環系抗うつ薬を与えると、ヒトと同様な行動異常の増悪が見られた。遺伝子改変されたメスのマウスでは、性周期に伴う行動異常などホルモンバランスの影響を受けやすいといった症状も確認されたという。
この成果は、加藤チームリーダーらのミトコンドリア機能障害が躁うつ病の発症を促す基盤になるという仮説を支持する。学界などで支持されれば、躁うつ病の創薬スクリーニングおよび動物モデルなどで活用される可能性も高い。同氏は「どのようなミトコンドリアの異常が躁うつと相関するのかを詳細に調べることが今後のポイントになる」と述べている。
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