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セメントを金属状態に、ナノサイズのカゴを利用
【ナノテク】発信:2007/05/10(木) 08:29:28
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東京工業大学・フロンティア創造共同研究センターの細野秀雄教授と金聖雄研究員、大阪府立大学の久保田佳基准教授、理化学研究所の高田昌樹主任研究員らの研究グループは、セメント(アルミナセメント)を金属化することに成功した。
典型的な絶縁体であるアルミナセメント(12CaO.7Al2O3、以下C12A7)は、安価で手に入り、豊富な資源である石灰と酸化アルミニウムからなる。同グループでは、2003年にC12A7を半導体に変えることに成功。C12A7は、直径4.4オングストロームのナノサイズの籠が、お互いに結びついて結晶を作り、その中に酸素イオンが入っている。
今回、C12A7の籠と反応しない金属チタンとC12A7を一緒に1100度Cで加熱し、籠の中の酸素イオンをほぼ完璧に電子に置き換えることに成功した。
作製したC12A7は、室温で金属マンガンと同程度の電気抵抗を持ち、温度が下がるほど抵抗が小さくなるという金属性質を示した。厚み100nmにすると、可視光領域の光を70%以上透過する透明さを備えている。大気中では、300度C程度の耐熱性があり、真空中では1300度Cまで構造を保持できるという。
シリコンなどの半導体が金属に変化する時は、電子1個あたりの移動度が減少する。しかしC12A7は、金属化すると電子1個当たりの移動度は、半導体の時よりも数十倍大きくなる。この原因を調べるため、大型放射光施設(SPring―8)で結晶構造の解析したところ、籠の中に酸素イオンが入っている絶縁体状態の時は、籠の形が歪んでいることがわかった。そして、酸素イオンを電子に置き換わると、ある濃度まで電子が増えた時に、一気に全部の籠が綺麗な形に成型され、電子が良く動くようになり、半導体から金属に変わることが判明した。
細野教授は、「今回の成功は、現在問題になっている、液晶ディスプレイやテレビに必須なインジウムなどの希少金属を、ありふれた元素(ユビキタス元素)に独自の細工を施すことで再現できるという可能性を示しました。この手法は、希少金属の代替のみならず、ユビキタス元素のみでもナノ構造を工夫することで、元素のイメージからかけ離れた新たな機能の実現を目指す、これからの材料研究のひとつのアプローチになれば嬉しいですね」と話した。
この成果は、米国科学雑誌『ナノ・レターズ』(4月11日版)に掲載された
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