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不整脈抑制機構の一端解明、セマフォリン3aの交感神経分布決定
バイオ】発信:2007/05/11(金) 08:15:29  

  慶應義塾大学医学部・再生医学教室の福田恵一教授らは、タンパク質のセマフォリン3aが心臓における交感神経の分布パターンを決定することを発見した。交感神経の活動性と深く関わる不整脈のメカニズムの1つを解明したことになる。『ネイチャー・メディスン』(オンライン版)に掲載された。

  若年層の突然死は不整脈に起因することが多い。不整脈は、運動中や精神的興奮時の時に多く起こるため交感神経と深く関係する。しかし、これまで不整脈と心臓内の神経分布の関連は不明だった。

  今回、研究チームでは、脳で見つかった軸索の伸長を阻害する、セマフォリン3aに着目。それが、心臓の内壁側(心内膜側)で多く発現しており、交感神経の分布パターンを決定していることをマウスを使った実験で発見した。

  正常なマウスの心臓内交感神経は、外膜側にしか分布しない。セマフォリン3aが欠損していると、交感神経の分布パターンが心内膜側と外膜側で密度の差がなくなり、交感神経が無秩序に分布する。交感神経の機能低下による不整脈が起こってしまうことがわかった。また、心臓だけでセマフォリン3aが過剰に発現するマウスを作製したところ、心臓内の交感神経量が極端に少ないことが判明。不整脈によると思われる突然死が成体の約20%起こった。

  これらの結果から、セマフォリン3aが正常に発現することで、交感神経の分布パターンを規定し、不整脈の発現を抑制していることが示唆される。この神経制御のメカニズムは、多くの生物でも起きており、ヒトでも同様の現象が起きていると考えられるという。

  心筋細胞、心臓の再生に関する研究に取り組む福田教授は「今後の心臓再生において、心筋や血管の再生構築のみならず、神経支配の構築も考慮に入れる必要があると言えます。今回のセマフォリン3aのような、神経の統御機構を解明することが今後も必要となるでしょう」と話す。



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