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プラチナ鉄規則合金の極薄薄膜の物性解明−室温でも垂直磁化保持
IT】発信:2007/05/14(月) 08:12:10  

  阪大院基礎工学研究科の今田真准教授、菅滋正教授らは、東北大院工学研究科嶋敏之准教授、同大金属材料研究所の高梨弘毅教授らと共同で、磁気ストレージ材料として期待されているプラチナ鉄(PtFe)規則合金薄膜が原子レベルの薄い極限でどのような性質を示すかを、SPring−8の円偏光軟X線放射光を利用することにより世界ではじめて解明することに成功した。室温で垂直磁化が保持される最も薄い限界を明らかにしたもので、同合金をハードディスク(HDD)媒体をはじめとする磁気ストレージデバイスに応用する際に必須な情報として注目される。

  高度情報化社会のさらなる発展を可能にする次世代HDDの高密度化を達成するには、メディア材料として垂直磁化材料が不可欠である。また、新しいタイプの不揮発メモリとして開発が進んでいる「磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)」や、新たな原理に基づく情報処理技術として期待されている「スピントロニクスデバイス」においても、動作部として垂直磁化材料の利用が有効と考えられている。

  PtFe規則合金は、こうした垂直磁化材料の有力候補の1つである。というのは、通常、サイズを小さくしたときに障害となる「磁化の熱的不安定性」が、この合金では結晶構造に由来する強い磁気異方性のおかげで抑えられ、小さくしても記録された情報が安定に保持されることが期待できるからである。しかし、極限まで薄い状態で同合金がどのような性質を示すかは、測定が困難なためこれまで十分に理解されていなかった。

  今田准教授らは、SPring−8で「軟X線磁気円偏光二色性」実験を行うことにより、原子レベルの薄さまでの磁化測定に成功した。その結果、Feが1原子層でも磁気的性質の元となる電子の状態に大きな変化はなく、PtFe規則合金の薄さが1nm(Fe原子層とPt原子層が3回交互に積み重なった程度)でも室温で垂直磁化が保持されることが明らかになった。

  今回の研究によって、室温での垂直磁化保持の限界が1ナノbであることが確認されたが、積層回数が3回より薄い試料でも、より低温にすれば垂直磁化が保持されることがわかった。さらに、1枚のFe原子層の上下をPtで挟んだ究極の薄膜にいたるまでその磁気的性質を解明、マイナス110度C以下では垂直磁化を保持し、マイナス250度Cでは0.1テスラの保磁力を持つことも突き止めている。



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