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黄砂の空間分布と流れの速度、NICTが初めて実測、可視化成功
その他】発信:2007/05/17(木) 11:58:19  

  中国大陸のゴビ砂漠や黄土地帯から、強風に乗って飛んでくる「黄砂」が、4月1日と2日に日本各地で観測されたが、情報通信研究機構(NICT)は、東京上空に飛来した黄砂の3次元的な空間分布と、それがどの程度の速さで流されているかを実測し、その可視化に成功した。これまで、3次元的な黄砂の流れと密度を同時計測するシステムは実用化されておらず、どれくらいの速度で黄砂が流されているのかを日本で実測した例はなく、今回が初めてとなる。

  NICTは、都市上空などの気流を精密に計測するため、光を使ったリモートセンシング技術の1つであるライダーや、電波を用いたレーダーなどをネットワークで接続して、大気状態を空間情報として取得する「センシングネットワーク」の技術開発を進めている。今回はその一環として、人の目に安全なレーザー光を用いたドップラーライダーを、3次元スキャンシステムに組み込んで試験計測した結果、黄砂の流れを初めて捕らえたものである。

  ドップラーライダーは、パルスレーザー光を望遠鏡で大気中に発射して、風で大気中を移動する黄砂などの浮遊粒子に当て、その反射光を望遠鏡で受光し、そのドップラーシフト量を計測して視線方向の風速分布を観測する装置。今回は、水平方向に約10kmの範囲の気流を、約100mの空間分解能で計測し、黄砂の流れをキャッチした。

  4月1日から2日にかけては、沖縄から東北地方まで日本の広い範囲で黄砂現象が観測された。そのためNICTは、4月1日に、東京都小金井市にある同研究所本部で、ドップラーライダーによる都市気流3次元計測システムを使った黄砂観測を実施した。

  その結果、夜半から観測され始めた黄砂が、地表から高度5kmの範囲で層状構造を形成し、高度2km以上で、ほぼ東方向に毎秒約20から30mの速度で流れた状況を、克明に捕らえることに成功した。また、午前中に黄砂の密度が高まり、午後には一時的に密度が低くなって、夕方に再度密度が高まるという時間変化も捕らえた。

  今回の観測技術は、大気汚染物質の拡散や、集中豪雨などに密接に関係した気流を精密計測でき、最近心配されている都市型災害の予測に役立つものである。そのためNICTでは今後、こうしたライダーを複数台ネットワークで結び、都市上空における気流の動きをリアルタイムで3次元計測する技術の開発に取り組んでいく計画である。さらに、独自に開発中の高出力レーザーを計測システムに組み込み、20km以上の広範囲の気流計測ができる、実用的センシングネットワークの構築を目指す。



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