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非シリコン系CIGS太陽電池の量産化に期待
IT】発信:2007/05/18(金) 09:05:48  

〜製造時のセレン消費量を1/10に削減、産総研が省資源化製法開発〜

  産総研太陽光発電研究センター化合物薄膜チームの仁木栄・研究チーム長、石塚尚吾・研究員は、非シリコン系のCIGS薄膜太陽電池の薄膜を製造する時のセレン原料消費量を、従来に比べ10分の1以下に抑える製膜技術の開発に成功した。これにより、CIGS薄膜太陽電池の量産化が可能となり、産業向けの大規模生産ライン実現が期待できるようになった。

  CIGS太陽電池は 光吸収層に銅・インジウム・ガリウム・2セレン化合物を用いたもので、光電変換層の厚さを数ミクロンと薄くでき、しかも理論変換効率が単結晶シリコンを上回るため、次世代太陽電池として注目されている。

  変換効率については、薄膜太陽電池で最高の19.5%という数値が、米国再生可能エネルギー研究所により達成されている。また経年劣化がなく、長期信頼性に優れていたり、耐放射線性に優れているのも特徴で、CIGS薄膜太陽電池を量産化する技術を確立して、新しい太陽電池産業を興そうという試みがある。しかし、変換効率の高いCIGS薄膜の製造に有効な、多種類の蒸発源を真空蒸着で同時に供給する製膜方法の「多元蒸着法」では、セレンの利用効率が悪く、製膜制御やコスト低減が難しいため、産業用途には適していないとされてきた。

  今回、産総研では多元蒸着法において、セレン原料の制御性と利用効率を高めるため、従来の蒸気セレンに替え、高周波による気体放電で発生したプラズマを使って気体分子などを分解するRFプラズマクラッキングにより「ラジカル化したセレン」を用いて、CIGS薄膜を作製する技術を開発した。セレン以外の金属原料については、従来通りるつぼ加熱による蒸発源を用いた。

  このラジカルセレンを用いた技術の実現で、製膜時におけるセレン供給のON/OFF制御が可能になっただけでなく、ラジカルセレンの高い反応性が利用できることから、原料消費量を従来の蒸気セレンより10分の1以下に抑えることが可能になった。

  産総研では、実際にこの方法で作製した膜が、滑らかで密な表面を示し、かつ大粒径なCIGS薄膜になることを見出した。作製したCIGS薄膜の小面積太陽電池は、従来と同等の高い変換効率を示すことも確認している。開発初期ながら、変換効率は17.5%と高い変換効率を示した。

  今後は、ラジカルセレンによる製膜技術を、大面積モジュール用CIGS製膜に応用するための検討をしていく。また、太陽電池の高効率化や低温製膜技術開発などへの応用や、さらにはラジカルセレン製膜によるCIGS特有の、大粒径で滑らかな表面といった特長を生かし、高性能デバイス実現に向けた挑戦もすすめていく予定だ。



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