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内視鏡による鼻内手術、新たな教育システム開発
【その他】発信:2007/06/11(月) 06:32:22
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産業技術総合研究所・人間福祉医工学研究部門操作スキル研究グループの山下樹里研究グループ長、熊谷徹主任研究員、森川治主任研究員らは、内視鏡を使った鼻内手術の新たな教育システムを開発した。高度な手術技能を効果的に体得できるため、手術の安全性を高めることができるという。
蓄膿症や副鼻腔炎などの鼻内手術は、数週間の入院を要する切開手術が主だったが、現在は切開部を最小限にすることで早期回復が見込める内視鏡を用いた手術が主流になっている。
内視鏡手術は、視神経や脳などに隣接した複雑な副鼻腔の中で、間接画像を見て行わなければいけない。高度な技術が必要で、体得には同様の環境下での十分な練習が必要である。しかし現状では、3次元的な技能習得ができる教材は少なく、実際の手術場における研修の機会も限られており、医療事故もある。
研究グループは以前、手術ができる精密なヒト鼻腔モデルを開発し、それを用いた手術技能の計測・分析を行った。若手医師と熟練医の、器具の持ち方や操作者の立ち位置・姿勢などの基本操作技術における違いを見出した。
今回、研究グループでは、現状を踏まえ、高度な技術を体得するために手術と近い環境で遠隔指導や自習ができるシステムを開発。精密ヒト鼻腔モデルに加え、互いに遠隔地にいる指導医と学習者が隣りあっているような合成画面を作り出すハイパーミラー(HM)を用いることで、臨場感のある指導システムを構築した。
指導医と学習者の前には、内視鏡画像を映すモニター2台、指導者と学習者の画像を合成して左右を反転(鏡像)した画像を映すモニター2台(正面と手元右側の映像用)や合成システムなどが配置される。インターネットを介し、画面上では各人が隣り合って研修をしているように見え、3次元的な手術技能を学習することができる。指導医側には、学習者の内視鏡画面に指差し指導のシステムが組み込まれ、細やかな指導も可能。さらに、録画映像による自習もできる。
しかし、現状では指導医・学習者の両システムを合わせて約1100万円と高額。実際の研修の場で用いられるためには、約6分の1の価格帯に設定しなければならないという。今後は、実用化のための新たなプロジェクトの立上げや、それに伴うパートナー企業探し、更なるシステム改善を行っていく。
システムが実用化できれば、内視鏡による鼻内手術の安全性向上を期待できるばかりでなく、遠隔地でも臨場感ある研修を行うことが可能なことから、地方と都市の医療格差を是正できると考えられる。
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