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量子暗号鍵の伝送距離記録を更新、200km達成
【IT】発信:2007/06/18(月) 00:37:25
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〜NTT、NII、米NIST共同〜
NTT物性科学基礎研究所と国立情報学研究所(NII)、アメリカの国立標準技術研究所(NIST=National Institute of Standards and Technology)は共同して、絶対に破られることのない次世代暗号技術である「量子暗号」のシステムとして、これまでで最も速い10GHzクロック周波数という、世界最速の量子暗号システムを開発し、単一光子レベルの光を用いた「量子暗号鍵」を、200kmの光ファイバー上で配送する実験に成功した。これは、単一光子レベルで従来最高だった、量子鍵配送伝送記録100km程度の約2倍であり、世界最長伝送距離の更新達成となった。
「量子暗号システム」は、送受信者間で量子鍵配送を行って暗号鍵を生成し、互いに秘密鍵を持ち合うもの。その鍵を用いて暗号化したデータを、別途に従来の通信回線で送り、鍵を使って解読するシステムであり、相手に送る情報そのものを量子化して伝送する量子情報通信システムとは異なっている。
「量子暗号」では、暗号鍵の情報を光の最小単位である光子の量子状態に乗せて伝送する。もし途中で第三者がこの暗号鍵を見ようと観測(盗聴)すると、量子状態が壊れてしまうため、観測者(盗聴者)は元の状態を復元・再生することができない。
また、誰か第三者が観測(盗聴)したという痕跡もこれによって残り、受信側で盗聴を検知できることから、盗聴は絶対不可能なシステムとして、その実現が期待されている。
しかし、これまでの量子鍵配送実験では、伝送距離が100km程度、そのときの鍵生成率が最大166bpsであり、実用化に向けては伝送距離の延長や鍵生成率アップが課題となっている。
今回、NTTなどが実験したのは、差動位相シフトという量子鍵配送プロトコルのシステム。これはNTTと米スタンフォード大が開発した技術で、両者は2006年にこの技術で100km、166bpsの暗号鍵配送実験に成功た。
今回の開発ポイントは、この差動位相シフト量子鍵配送システムの光子検出器に、NISTが開発したSSPD(超伝導単一光子検出器)を新たに採用した点である。SSPDは、窒化ニオブ超伝導体の細線を光ファイバーのクラッド部分に付けたもので、細線に単一光子が入射すると超伝導状態が壊れるのを利用し、光子を高感度で検出できるのが特徴。
これによって、波長1.5μmのレーザーと高速変調器で発生させた、クロック周波数10GHzの短パルスの光子を検出することが可能となり、200kmの伝送を行って、送信側と受信側の間でつくられる2進の秘密鍵ビット数(鍵生成率)が12bps(ビット/秒)という、安全な暗号鍵配送に成功した。
また同システムでは、105kmの伝送距離において17Kbpsの鍵生成率を実現しており、これまでにNTTとスタンフォード大が差動位相シフトの量子鍵配送プロトコルで達成した100km、166bpsの100倍以上という飛躍的な鍵生成率を達成した。
今後の実用化に向けては「コストが大きな課題。SSPDも絶対温度3K(マイナス270度C)で動作させねばならない。さらにフィールド実験でシステムを確認したい」と、開発担当者のNTT物性科学基礎研究所の武居弘樹・主任研究員は課題をあげている。
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