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東北大学、生物多様性を松島のチョウ群集で説明
【その他】発信:2007/06/20(水) 11:51:40
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生物の多様性(何種類の生物がそれぞれどれくらい存在するか)がどのような要因によって決定するのかは、生態学の古くからの中心的課題のひとつである。東北大学大学院生命科学研究科の河田雅圭教授らの研究グループは、松島湾松島群島の浦戸諸島のチョウ群集を用いて、生物多様性のパターンを説明する”ニッチ分配説”を野外で実証することに成功した。
2001年にハッブルによって、生物多様性の中立説が出されて以降、2つの理論(中立説とニッチ説)の検証が大きな問題となっていた。中立説によれば、地域内での生物個体のランダムな置き換わりと外からの移出・移入によってある地域の生物多様性は決まるという。一方ニッチ分配説では、生物が必要としているニッチ(生物が必要とする様々な資源や環境)の種類と大きさによって決定されるという。
最近、ニッチ分配説を支持する論文が多数発表されているが、生物が利用する資源の相対的な量(相対的なニッチの大きさ)で決まることを、野外で大規模に示したものはなかった。その点、河田教授によると「生物が利用する資源量を広い範囲で多くの種で定量化するのは困難で、これまでに実際の生物群集でこの説は確かめられてこなかった」としている。
それが、複数の環境の異なる島において利用する資源がすでにわかっているチョウ群集を用いること、また、精度の高い航空写真をもちいることで、資源の量と多様性を比較することが可能になったとしている。そこで同グループでは、浦戸諸島を対象に、食草(チョウの幼虫が食べる植物)の量を精度の高い航空写真や現地調査あら推定。異なる種の食草のバイオマス(生物量)の相対的量が、どの種のチョウがどの程度の個体数生息するのかに大きく影響していることを示すことができたとしている。
この結果は、生物多様性の決定要因に関する生態的な問題解決に大きく寄与するだけでなく、植物に食べ物などを依存している生物種の多様性は、植物の多様性に大きく依存していること。また特定の植物量の相対的な量増大は、特定の種の植食者を過度に増大させる結果となり、多様性のもつ安定性を減少させる可能性があることを示唆するものだとしている。
河田教授の話「ニッチ分配説を直接的に支持するはじめての研究となった。今後は、温暖化など環境の変化にともなう多様性への影響や、遺伝子を使ったチョウの移動分散と多様性との関係を調べていく予定である」
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