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自ら光る蛍光タンパク質を開発、生物発光イメージング新技術実現
【バイオ】発信:2007/08/17(金) 23:51:34
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産総研セルエンジニアリング研究部門セルダイナミクス研究グループの星野英人・研究員は、近江谷克裕・研究グループ長(北大大学院医学研究科教授)、中島芳浩・主任研究員とともに、ホタル等の発光現象に見られるルシフェリン―ルシフェラーゼ反応を用いて、緑色蛍光タンパク質(GFP=Green Fluorescent Protein)を効率よく発光させる技術と、それを利用した新しい生物発光イメージング技術を開発した。
GFPは、1962年に下村脩・博士がオワンクラゲから精製した分子量26kDのタンパク質で、適当な波長の励起光を当てると緑色蛍光を発する。このGFPを応用するのに、これまでは蛍光を光らせるための外部光源を必要としていた。一方で、ホタルなどの発光生物はルシフェラーゼという酵素の働きでルシフェリンという物質を酸化して、自ら発光している。
産総研セルダイナミクス研究グループは、 オワンクラゲ、ウミシイタケなど海洋性発光生物のGFPを持った発光生物が、本来備えているルシフェリンをエネルギー源としてGFPを光らせる「生物発光共鳴エネルギー移動(BREI=Bioluminescence Resonance Energy Transfer)」という現象に注目した。
この現象を応用して簡便にGFPを光らせる技術と、それを用いた生物発光イメージング技術の開発に取り組み、GFPと海洋性発光生物ウミシイタケのルシフェラーゼとを、適当なリンカーペプチドで結合した人工タンパク質を作製し、リンカーペプチド配列の最適化を行った。
その結果、非常に高効率のBREIを誘導することに成功し、これを「自己励起蛍光タンパク質=BRET-based Auto-illuminated Fluorescent-protein(BAF)」という概念で提唱している。
また3種のGFP変異体(AcGFP、EGFP、EYFP)を用いた人工タンパク質を作製し、BAF―A、BAF―G、BAF―Yと名付けた。これらは、ルシフェリンさえあれば蛍光を発し、用いるGFP変異体の特性により、発光スペクトルが変えられる。
また発光強度は、ルシフェラーゼ本来の強度に比べて約4倍も明るく、生きている1細胞の活動を観察できる強度である。実際に培養細胞で発現させたBAF―Yは、生きた細胞中でも高い効率で発光した。
細胞核のDNAに集積するタンパク質(ヒストンH2AX)にBAF―Yを融合させた人工タンパク質を発現させた細胞を、新開発の生物発光顕微鏡AB3000BCellgraph(ATTO)で観察しており、高い空間および時間解像度による、1細胞生物発光イメージングに世界で初めて成功した。
産総研では今後、BAF自体の更なる改良や、高効率BREIが起こる分子機構の解明、また細胞内で起こる現象を高精・リアルタイムにモニタ可能な生物発光イメージングシステムの開発を目指す。さらには、簡便な検査試薬としての可能性も追求したい考えだ。
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