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真核生物のゲノム配列、完全解読は世界初
【バイオ】発信:2007/08/27(月) 08:08:18
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東京大学大学院理学系研究科の野崎久義准教授らと立教大学、熊本大学の研究グループは、イタリアの温泉に生息している原始紅藻・シアニディオシゾン(シゾン)のゲノム配列情報を完全解読することに成功した。真核生物におけるゲノム配列情報の完全解読は世界初。『BMC Biology(5巻28号)』に掲載された。
細菌以外のほとんどすべての生物は、真核細胞から形成され、多くの生物でゲノム配列の解読が進められている。現在、356種の真核生物のゲノム解析が進められ、うち26種で解読が終了したとされている。しかし、染色体末端や反復配列における情報の欠損など未解読箇所を多く含んだ状態にあり、これまで、ゲノム解読が完全に済んでいる生物は皆無だった。
シゾンは、真核生物が持つ全ての基本的な細胞小器官(細胞核、ミトコンドリア、色素体(葉緑体)、マイクロボディ、ゴルジ体等)を最小単位で保持するため、真核生物の中で最もシンプルなゲノムを持つといわれている。
すでに研究グループでは、シゾンのミトコンドリアと色素体のゲノム配列を100%解読し、また99.98%の細胞核ゲノム配列を決定していた。しかし、各染色体末端と塩基配列の決定が困難な場所(ギャップ)にある46箇所が未解読であった。
そこで今回、以前に構築したバックライブラリーを用い、目的領域の増幅や塩基配列を決定した。また、様々な手法を用い染色体両末端を解読。その結果、シゾンの全染色体20本の端から端までの塩基配列を読み取ることに成功した。1672万8945のDNA塩基配列数、そのうちタンパク質をコードする5017の遺伝子数を確定した。
真核生物では最小のヒストン遺伝子クラスターを持つこと、全染色体において独特のテロメア構造があること、ゲノム配列の約5%を占める新規反復配列があること、遺伝子にほとんどイントロンが存在しないこと、アクチン・ミオシンがなくても正常に細胞分裂が起こるなど多数の新たな知見を得ることができた。
今後、シゾンの全ゲノム情報を基盤にして、真核細胞の誕生と進化、構築の基礎原理など、生物の基本機能がさらに解明されていくと考えられる。また、真核生物に関する基本的な問題を解くには、近縁の原生生物のゲノム情報も必要になってくるという。
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