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大学は中長期的戦略を、イノベーション創出へ
【その他】発信:2007/10/11(木) 22:18:09
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科学技術・学術審議会技術・研究基盤部会の産学官連携推進委員会は、『イノベーションの創出に向けた産学官連携の戦略的な展開に向けて』を文部科学省に報告した。これまでの成果や課題を反映した、今後の大学等における産学官連携活動の推進方策をまとめている。
日本にとって、国際競争力を強化し、持続可能な成長を進めていくためには、イノベーションを創出していくことが不可欠だ。特に、知の拠点としてイノベーション創出の原動力となる大学等に期待が寄せられている。
大学等の産学官連携活動は着実に進み、知的財産体制の整備も整ってきている。また、企業と大学等との共同・受託研究は増加し、昨年度は共同研究が1万4000件、受託研究が1万8000件を突破した。特許出願件数や実施件数も急激に増加している。しかし、大規模な共同研究は増加しておらず、特許出願件数は増えているものの利用数は伸び悩んでいる。
報告書では今後の展開として、大学等においては、組織強化に必要な財源を含む、資金計画を踏まえた中長期的な産学官連携戦略を立てていく必要があると指摘。また、共同研究等の際には、産学官お互いの立場を理解し、尊重した上で、課題の設定段階から対話することが肝要とした。特許についても、質を重視して戦略的に応用範囲の広い基本特許の取得を提案した。
海外企業との産学官連携は、共同・受託研究の件数、金額とも全体の1%にも満たない。報告では、国際的な産学官連携を進めるには、科学技術に詳しく、海外での侵害訴訟や契約に精通し、経営に明るい知財人材の確保が必須となるとしている。さらに、国際法務機能の強化や紛争予防、海外への積極的な情報発信や海外特許出願の支援強化が必要であるという。
ライフサイエンス分野は、共同・受託研究の件数や金額、特許出願数の3割を占めているが、知財戦略策定や研究成果有体物の活用、臨床研究のマネージメントなどが不十分だという。そこで、研究分野に応じた産学官連携体制を構築し、特にライフサイエンス分野では、技術移転体制の強化や研究成果有用物の管理・活用体制の整備の必要性を述べている。
大学等発ベンチャーに関しては、3月時点で1576社が設立されているが、スタッフの確保や投資環境に問題を抱えている。学生や教職員の起業意識の向上、相談・支援要員の配置、インキュベーション施設の確保など支援機能の充実が不可欠だとしている。
また、大学のある地域の産業や中小企業の連携が弱く、その強化が必要という。そこで、地域の中小企業や地場産業、地方公共団体や公設試験研究機関との産学官連携を強化。また、大学知的財産本部整備事業の対象大学等を中心に連携体制やコンソーシアムを形成し、その事業で培った人材やノウハウの活用、TLO機能の強化、JST等の外部組織の活用による多様な連携体制の構築が必要と指摘している。
大学等における知的財産活動を担う専門職員の不足は深刻で、特に海外特許の実情を理解している対外折衝専門の人材が必要とされているが、現状の大学のシステムで専門職員の育成や確保は難しい状態にある。そこで、知財専門職員の採用や徹底した研修プログラム、キャリアパスの提示など、内部専任人材の増強が提案された。
国際競争の中で産学官連携は、イノベーションの創出に重要な手段であり、大学等における教育、研究、新たな社会的価値の創造という3要素をバランスよく一体化して、主体的で多様な取組を展開していく必要がある。さらに、各大学等が経営に際し、産学官連携の中長期的な計画を立てることも重要となる。国は、各大学等の特性を踏まえ、戦略的な取組を支援し、国全体の産学官連携の質向上を図っていくことが必要だという。(科学、9月/21号8面)
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