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光の動き3次元で捕らえる、光通信など高精度化へ
その他】発信:2007/11/14(水) 23:49:53  

  京都工芸繊維大学の粟辻安浩准教授らは、光が伝播する様子を3次元動画像として捉えることに世界で初めて成功した。超高速光通信システムを構成する素子の評価などにつながるものとして注目される。米国光学会速報論文誌の電子版に10月16日掲載された。

  レーザーなどの光を利用する技術は、通信や精密材料加工、バイオ・医療など、様々な分野の高度化に必要不可欠な技術となっている。特に、超短時間だけ光を照射できるフェムト秒レーザーは、材料や生物細胞が熱的に破壊されないため、非常に高精度な操作が行えることから、注目を集めている。

  このフェムト秒レーザーを評価するためには、その光の詳細な動きを捉える必要がある。しかし、光は秒速30万kmで進むため、超高速度カメラでもその伝播の様子を捉えることはできない。そのため、繰り返し発せられるパルスのそれぞれ一部を合成して表示するということが行われているが、これではパルス1つの時間的・空間的に連続な詳細情報を得ることはできない。

  粟辻准教授らはこれまで、超短パルスレーザーから発せられる光を2つに分け、一方を被写体に、もう一方を被写体の下に置いた拡散板から出てきた光と干渉させることで、ホログラムに記録するという方法で、2次元的にパルス1つの動きを連続的に捉えることに成功している。

  ホログラムには、光の動きそのものが記録されるため、ホログラムを観察することで光の動きを連続的に捉えることができる。

  今回の研究では、ゼラチンで長方形の拡散体を作成し、2次元の場合と同様に3次元で移動する光の像を捉えることに成功した。実験では、3次元での光の動きを分かりやすくするため、フェムト秒レーザーを対物レンズで拡げ、平行光形成レンズで平行光にしてから、拡散体に照射。ホログラムに記録するための干渉光も拡げて同期させることで、ホログラムに3次元で光の動きを記録した。

  その結果、236ピコ秒で起こっている現象をスローモーションで観察できた。これは、世界最高速級の既存高速度カメラの約100万倍以上の速度だ。

  レーザーの同期や拡散体の成分などに、新しい知見があるわけでなく、こうした研究の発想そのものが今回の成功につながった。粟辻准教授は「光の動きそのものを見てみたいから、この研究を始めた」という。

  この技術は、超高速光通信システムを構成する素子の評価、レーザーによる微細部品加工や光造形用の光パルスの評価、生物細胞のレーザーナノ手術用の光パルスの評価など、幅広い分野で役立つと期待される。また、記録材料をCCD(荷電結合素子)に置き換えれば、3次元動画像のデジタル処理も可能だという。(科学、10月26日号4面)



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