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2成分混合溶液の新秩序構造を発見
【その他】発信:2007/12/03(月) 21:43:11
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水と有機溶媒の2成分からなる混合溶液の中には、臨界温度で2成分が均一に混ざった単一相から、一方の成分が濃い相とその逆の相が空間的に分離した2相分離状態へ転移する。これらの2成分混合溶液に塩を添加した場合、電離したイオンと溶媒との相互作用が臨界現象にどのような影響を及ぼすのか…。
京都大学大学院理学研究科の貞包浩一朗氏、瀬戸秀紀准教授らは、水と3‐メチルピリジンの混合溶液に疎水性(水分子と反発しあう)の陰イオンを持つ塩、NaBPh4を加えた時の振る舞いを、目視観察と中性子小角散乱法で観察。その結果、溶媒が数十nmから数百nm(可視光波長スケール)に及ぶ周期的秩序構造が形成することを初めて発見した。瀬戸准教授は「色合いや発色の制御が可能な”フォトニック液体”の実現も可能なのではないか」という。
水/3‐メチルピリジン混合溶液は室温では単一相だが、温度を上昇させ臨界温度で2相に分離する。これに1.3×10−2mol/?のNaBPh4を添加したところ、室温では無色透明であった溶液が、温度上昇に伴い青から緑、そしてオレンジへと変化する様子が捉えられた。瀬戸准教授によると「水と有機溶媒と塩。この一見ありふれた組み合わせでnmから光の波長程度の秩序構造ができることを示した」という。ところが5.0×10−2mol/?以上のNaBPh4を添加すると、目視観察では相分離は観測されず、全ての温度において系は無色透明のままであり、中性子散乱強度スペクトルのピーク構造を解析したところ、溶媒が数十nmの周期構造を形成していることが分かった。
「水分子が電気的相互作用によりイオンに引きつけられることを水和と呼ぶが、正負のイオンの水和力が極端に違う場合には、水分子が寄り集まって大きくなる。それが周期的に並ぶ可能性は小貫らによって理論的に指摘されていたが、それを実験的に初めて示した。この構造の周期はイオン濃度により光の波長程度の大きさまで成長するため、回折現象によって色が付いて見える。単純な混合液体において構造色を呈する新しい原理を発見したことになる」としている。
この成果は日本物理学会発行の英文学術誌Journal of the Physical Society of Japan(JPSJ)の年11月号に掲載された。(科学、11月16日号1面)
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