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神経細胞のシナプス間情報伝達制御リン酸化酵素発見
バイオ】発信:2007/12/31(月) 16:10:55  

〜神経変性疾患治療につながる可能性/富山大大塚氏ら〜

  脳・神経系の適切な情報伝達を支えているタンパク質が新たに発見された。リン酸化酵素のSADキナーゼが神経細胞同士のつなぎ目にあたるシナプスで、他のタンパク質を制御して神経伝達物質の分泌を調節していた。この酵素の破綻はてんかん、統合失調症のほか、アルツハイマー病などの神経変性疾患につながっている可能性もある。富山大学大学院医学薬学研究部の大塚稔助教授、西条寿夫教授らの成果で11月20日、米学術誌『ニューロン』に掲載された。

  この成果は大塚助教授らと、カン研究所、三菱化学生命科学研究所、自然科学研究機構、大阪大学との共同研究で、成熟神経細胞間の情報伝達プロセスで神経伝達物質を分泌する側の前シナプスを分子レベルで解析した。成熟したほ乳類の神経細胞を使って実験を進めた結果、神経伝達物質の分泌場所のアクティブ・ゾーンで局所的に発現するSADキナーゼを見つけた。

  さらに、従来から神経伝達物質の分泌に直接関わることが知られたタンパク質をリン酸化して活性化させることも分かった。SADキナーゼは、数ある神経突起の中から一本の長い軸索を伸ばすなど、発生期の正確な神経回路網形成に欠かせない分子で知られたが、これにより成熟した神経細胞での機能を示したほか、リン酸化プロセスが脳・神経系の情報伝達機構で重要な役割を担うという、世界で初めての提案になった。

  シナプス間の神経伝達物質制御の破綻は、過剰に働けばてんかん、統合失調症などが、抑制的に働けばアルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患につながることが知られ、大塚助教授らの提案が支持されれば、SADキナーゼを新たな標的にした機能解析が進むと期待される。

  なお、この研究は科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業CRESTタイプの研究課題「情動発達とその障害発症機構の解明」の支援を受けて進められたものである。



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