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放射性医薬品の被曝線量、DNAレベルで正確に評価
【その他】発信:2008/01/29(火) 12:01:15
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核医学検査・治療では、放射性同元素(RI)で標識されたブドウ糖などの医薬品を用いて病気の診断や治療を行う。それだけに投与される放射性医薬品による患者の被ばく線量を適切に管理する必要がある。その際、高い放射性核種の基礎データとして世界指針となっているのが米国核医学会の『線量計算用放射性核種データ集(MIRD)』。日本原子力研究開発機構放射線防護研究グループの遠藤章グループリーダーは、米国オークリッジ国立研究所のKeith・Eckerman博士と共同で、MIRDを18年ぶりに改訂、第2版として完成させた。
改訂されたデータ集は、第1版に比べ、今後新たに利用が見込まれるエルビウム(Er)-169、ルテチウム(Lu)-177など91核種が加わり333核種を扱っている。特に今回はDNAレベルでの線量計算にも対応できるデータが追加され、内容が大幅に拡充された。これを可能としたのが遠藤リーダーが中心となって開発した『Auger電子の詳細なエネルギー分布を計算する手法』だ。
体内に取り込まれる放射性核種が放出するAuger電子は、DNAの損傷を評価する上で非常に重要だが、第1版では計算手法が確立していなかったこともあってほとんど評価されていなかった。遠藤リーダーによると「今回の改訂では、例えばI‐125で、放出されるAuger電子を1500本ほどのエネルギー分布としてきちんと評価できるようになっています」としている。
核医学による診断・治療の分野では、国内で年間約165万件に及ぶ事例が報告されているだけに、改訂されたデータは安全評価の基礎資料として大いに役立てられるものであるばかりでなく、生体内での遺伝子やタンパク質といった分子の挙動を生物が生きたままで画像化し観察できる分子イメージング研究にも活用されるものと期待される。
改訂データ集は、今年1月から米国で出版される。
遠藤リーダーの話「被ばく評価の観点とは別に、DNAの損傷などが最終的に人にどのような影響を及ぼすのかを、このデータを使って次の段階にアプローチしたい」(科学、1月18日号1面)
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