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博物館法改正へ提言、教育・学術的視点で評価
【その他】発信:2008/03/04(火) 12:27:04
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日本学術会議の基礎生物学委員会・応用生物学委員会・地球惑星科学委員会が合同で設置している自然史・古生物学分科会は、対外報告『文化の核となる自然系博物館の確立を目指して』を公表した。
分科会では、国内の自然系博物館が抱える問題を検討。博物館の評価の焦点が財政面に当てられている現状や博物館法改正への危惧、人材育成等について審議し、法改正に向けての提言をまとめた。
国や地方自治体での財政支出削減、国内経済の伸び悩みなどにより、各博物館における予算も縮小の一途を辿っている。また把握しやすい利用者数が博物館評価に用いられ、誘客や遊興的機能が重視される傾向にある。こうした中、博物館法の改正が予定されている。
現行の博物館法では、博物館は『特定分野の資料を収集・保管し、学芸員などの専門職員が調査研究をし、資料の展示公開を行う』と定義されている。科学館や水族館なども条件を満たせば、博物館として登録できるが、コレクションの収集・管理や専門職員による調査研究が行われていないため、それら多くの館は登録の対象外だ。法改正に向けた検討会では、『資料』の再定義や専門職員である学芸員資格制度についても話し合われている。
自然史博物館や動物園・水族館など自然系博物館は、地域における生涯学習やレクリエーションの場としての期待されている。その一方で、国全体で起こっている財政危機から、コレクションの収集・管理や調査研究の重要性よりも独立採算制が強められ、指定管理者制度が全国的に導入されている。
自然科学の研究、特に博物学は、ヨーロッパにおいて盛んに行われており歴史も長い。そのため博物館は、研究対象である資料を収集・管理する重要な拠点と考えられている。近年、新たな分析法が考案され、適切に保管されていた過去の生物からDNA等を抽出して研究に用いている例もある。このような標本コレクションは、重要な資料だが、昨今の日本では経済効率が重視され、コレクションの維持が難しい現状になっているという。
分科会では、戦後、博物館法によりコレクションと調査研究、展示、教育を行う博物館が全国各地に整備されるための重要なきっかけになったとしつつも、博物館の質的審査や機能維持に欠かせない財政援助が不十分であったと指摘。博物館法の理念から外れた、遊興施設的な類似施設の乱立を招いた一因にもなっていると推測。法改正で資料収集・管理、調査研究体制が脆弱な類似施設の一部が登録博物館になり、自然系博物館の文化的低質化や遊興施設化が加速される可能性があるという。
そこで、博物館の認定、登録基準については、モノを集め、知が集い、人が集うという本質的な機能を持った博物館を登録博物館とすべきであるとし、また学芸員には大学院レベルの教育が必須であり、そのためには大学と密接に連携すべき。博物館の評価についても教育や学術的視点からの評価を重視すべきで、サイエンスコミュニケーターを介在させ、地域の教育の場とするために、初等中等教育との連携も重要であると指摘。文化の核としての博物館が娯楽・遊興施設に堕しないために、現状の追認につながる方向の法改正は考え直すべきであると提言している。(科学、2月1日号2面)
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