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食料と競合しないバイオマス燃料実現へ、製造プラントの開発実証
【バイオ】発信:2008/03/05(水) 09:09:45
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〜産総研がプロジェクト開始〜
原油価格高騰を背景にアメリカやブラジルでは、サトウキビやトウモロコシ等を原料としたバイオ燃料製造の急増が、食料や家畜用飼料の価格を押し上げて問題となっている。
そこで産業技術総合研究所では、そうした食料に用いない、非可食のセルロース系バイオマス資源を利用して、環境に優しいバイオマス燃料製造を実現しようという、プラントの開発・実証プロジェクトをスタートさせた。期間は平成19年12月から23年3月までの3年半。特に、プラントシステム・事業化を担当する民間企業と協力に連携し、海外展開をも視野に入れて、市場化シナリオ、実用化プラントの設計などを行い、平成23年度以降の実用化プラントの検討を目指す。
これは、平成19年度の新規産学官連携プロジェクト「産総研産業変革研究イニシアティブ」として、産総研が取り組みを開始した「中小規模雑植性バイオマスエタノール燃料製造プラントの開発実証」である。
同プロジェクトでは、産総研が考案・研究開発したバイオマス原材料の前処理技術を中心に、環境負荷の小さい非硫酸法によるエタノール燃料一貫製造プラントを構築し、多種多様なセルロース系バイオマス(雑植性バイオマス)からのエタノール燃料生産技術を実証する。
特徴は食料生産を圧迫しない、木質系および草本系などの非可食性のバイオマス資源を原材料として用い、その種類の違いや、産地における集積状況への対応が可能な製造プラントプロセス(地産地消型やモバイル型)を目指す点だ。
具体的には、バイオマス研究センターの独自技術である低エネルギー型前処理技術および糖化発酵技術と、その他の現有技術との融合によって、エタノール燃料製造のベストプロセスを設計・開発する。
また、エタノール収率や廃液処理等で課題のある硫酸法ではなく、低コスト・高効率・低環境負荷の、プラントプロセスによるエタノール燃料製造を非硫酸で実証する。さらには、開発したバイオマスエネルギー製造システムの経済性評価、ライフサイクル評価を実施する。 低エネルギー型前処理技術においては、産総研が開発した水熱処理技術と湿式メカノケミカル処理技術を組み合わせ、効率的な前処理技術を適用する。この前処理では、セルロース等のバイオマス成分の組織構造を、ナノレベルで変化させて酵素糖化性を大幅にアップさせる。酵素糖化の経済性向上のため、糸状菌による糖化酵素のオンサイト(その場)生産技術を導入する。利用する糸状菌は、産総研が単離・育種した高セルラーゼ生産菌(アクレモニウム・セルロリティカス)である。エタノール発酵では遺伝子組み換え酵母を用い、バイオマス中の糖を高効率でエタノールに変換する。
試験プラント1号機では、セルロース系バイオマス原料200kg/バッチの処理能力(60リットルのエタノール)を備えた、ミニプラントを建設する。そのミニプラント運転を通じて基礎的データを集め、実用化プラントを見据えた試験プラント2号機の設計・建設等に役立てる予定だ。
さらに、セルロース系バイオマス原料の安定的な確保や事業化が可能な設置場所の選定などを実現する、原料供給・利活用モデルを農工連携によって構築し、国内実用化を支援していく計画である。(科学、2月15日号6面)
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