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肝・胃由来のiPS細胞、山中・京大教授ら樹立成功
【バイオ】発信:2008/03/11(火) 23:08:39
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京都大学物質―細胞統合システム拠点の山中伸弥教授らは、成体マウスの肝細胞と胃細胞からの多能性幹細胞(iPS細胞)を樹立する中で、iPS細胞は分化細胞の時計を巻き戻していることを証明した。またレトロウイルスを使わないiPS細胞が作製できる可能性が見えてきた。サイエンスのオンライン版に14日掲載された。
iPS細胞は、マウスやヒトの皮膚細胞に4つあるいは3つの転写因子をレトロウイルスで導入することで樹立される多能性幹細胞。ES細胞と同等の分化能を持っているため、様々な分野での応用が期待されている。
しかし、実のところ、iPS細胞の由来や機序は分かっていなかった。因子を導入した細胞の中で、iPS細胞になるのは0.1%以下であることから、皮膚細胞にわずかに混在する未分化細胞が由来である可能性がある。
また、レトロウイルスが染色体上の特定の場所に挿入され、原ガン遺伝子などを活性化することがiPS細胞樹立に必要である可能性もある。
研究グループは今回、成体マウスの肝および胃の細胞に、皮膚細胞と同じ転写因子を導入することで、iPS細胞を樹立することに成功した。
次に、細胞系譜追跡実験を行い、遺伝学的な解析により、肝細胞または肝前駆細胞がiPS細胞に変化したことを確認した。
また、肝や胃由来のiPS細胞では、レトロウイルスの染色体への挿入数が皮膚由来のiPS細胞に比べて少なく、染色体特定部位への挿入は認められなかった。
今回の研究によって、iPS細胞は分化細胞の時計を巻き戻すことでできていることが証明された。また、レトロウイルスの染色体特定部位への挿入が認められなかったことから、今後、染色体への組み込みを伴わない、より安全なiPS細胞の樹立が可能であることが示唆された。(科学、2月22日号1面)
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