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X線高速検出の障害”分極現象”の原因解明
その他】発信:2008/03/14(金) 08:59:43  

  高輝度光科学研究センターおよび物質・材料研究機構の研究グループは、ダイオード型カドミウムテルライド(CdTe)半導体X線検出器の高速検出化の障害‐”分極現象”の原因を世界で初めて明らかにすることに成功した。

  分極現象とは、単一のエネルギーのX線・ガンマ線をダイオード型カドミウムテルライド半導体X線検出器に入射させてエネルギースペクトルを取得した際に、スペクトルのピークが時間と共に低エネルギー側にずれ、そのピークの形が崩れていく現象。通常の検出器では起こらないという。

  研究グループの一人、高輝度光科学研究センターの岡田京子研究員は「透過力の高いX線を利用して、原子レベルでの変化を10億分の1秒の世界でその場観察したいと思い、観察する道具(検出器)の開発を始めました。ところが、最適と思われたこの検出器には30年間も未解明の分極現象という欠点が存在しました。とても複雑な現象だったため、この原因を究明するのには相当苦労しました」という。

  同グループでは、電界放出型走査電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分析装置による観察やアルファ線を用いた実験により、分極現象が電極および電極界面構造の形状・元素分布に大きく起因していること、カドミウムテルライド半導体内部に束縛された電子やホールの動き(X線のエネルギーが高いほど多くの電子とホールが生成されるので、大きな電気信号として検出される)によることを突きとめた。

  これにより、分極現象のない検出器の開発のための電極形状の設計やカドミウムテルライド半導体の材料設計の指針が明らかになり、高エネルギーX線用のナノ秒検出器の実現に道が開かれたとしている。

  岡田京子研究員の話「NTTアドバンステクノロジ株式会社と日鉱金属株式会社との共同研究で、新電極作製法の確立・カドミウムテルライド半導体の材料設計により安定な検出器の実現を目指します。現在の試作第一号(写真)を発展させ、放射線科学・医学・産業・宇宙関連研究分野の発展に貢献していきます」(科学、2月22日号2面)



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