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ハイブリッド発光材料開発、有機・無機の特徴併せ持つ
【その他】発信:2008/03/19(水) 08:29:52
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東京大学生産技術研究所(生産研)および神奈川科学アカデミーの研究グループは、有機と無機の発光材料の特徴を併せ持った新しいハイブリッドな発光材料の開発に成功した。
最近、照明素子などで注目されている有機EL、軽くて、安く大画面素子ができ、曲げるとといった特徴を持っている。ただ、寿命が白熱灯程度と短く、湿気に弱い上、発光効率が低いといった問題がある。
一方、無機の発光材料では、その代表格の窒化ガリウムを用いた青色発光ダイオード、何万時間も安定に動作し、内部量子効率(発光素子内部での電子を光に変換する効率)が90%程度と高いのだが、高価なサファイア基板上に有機金属CVD法(有機金属ガスとアンモニアを高温下でサファイア基板に吹き付けて窒化ガリウムを成長させる)で作製されるため、生産性が低く、高価で大面積素子には不向きとされている。
そこで同グループは、有機ポリマーを焼結して作製した安いグラファイトフィルムの上に、パルス励起堆積法(金属ガリウムターゲットを瞬間的に発生させたパルスプラズマによって昇華させ窒素と反応させる)で窒化ガリウムを成長させることで、ハイブリッドな構造を持った材料を作製した。グラファイトや窒化ガリウムは六角柱状の結晶構造を持つ。ポリマー焼結グラファイトも結晶の高さ方向(c軸)がフィルムの厚さ方向に揃ったもので、その表面が原子レベルで平坦だけに、結晶成長に適した材料である。今回開発された材料もこのポリマー出発材料として窒化ガリウムを作製したところ高さ方向に揃った高品質な窒化ガリウムが得られた。
研究グループの東大生産研の藤岡洋教授は「六角形の炭素の原子間(ブリッジ)に窒素原子が飛び込んでくると動けなくなることが知られていますが、そうなるとちょうど炭素の六角形の上にかぶせるように窒素の六角形がつくのでよい結晶が得られるのです」という。
この窒化ガリウムの光励起発光スペクトルを測定したところ半値幅(発光の品質を示す)で63ミリエレクトロンボルトとすでに実用されている窒化ガリウムと遜色ないことがわかり、結晶欠陥に起因する発光も検出されなかったとしている。これにより効率が高く寿命の長い照明素子やディスプレイが安く実現できる。「この技術による素子は数ヶ月もあればできると思います。それで話は完結するのですが、世の中でだれも作ったことがない構造(ヘテロ界面)ですから、原子がどう並んでいるのかといった科学的な興味があります。今後それを追究していきたい」(科学、3月7日号1面)
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