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国内初の遺伝子組換え魚介類検査施設、中央水産研究所内に完成
バイオ】発信:2008/03/21(金) 08:50:18  

〜海洋データ解析センターも発足〜

  水産総合研究センターの中央水産研究所(横浜市金沢区福浦、中添純一・所長)は、今年1月に完成した、水産遺伝子解析センターの新しい研究施設「遺伝子組換え魚介類検査室」のお披露目式を2月22日行った。

  この新施設は、遺伝子組換え生物等の使用などを規制したカルタヘナ法に基づき、遺伝子組換えによる魚介類を検査するためのもので、生きた水産物の遺伝子組換え検査ができる施設としては全国で初めてである。承認を受けた遺伝子組換え魚介類の判別や、未承認の遺伝子組換え魚介類の混入などを検査して、違法な輸入などを防止するのに欠かせない施設である。

  また同施設と併せて、組織改編によって昨年11月に中央水産研究所に新設した「海洋データ解析センター」も公開した。

  生物の多様性確保のため、各国間の遺伝子組換え生物の輸出入に対し、一定の規制をしたカルタヘナ議定書を実施するため、日本では2004年2月に「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)を施行した。

  これに伴い、水産総合研究センターは同法に基づいた遺伝子組換え水産物の検査等機関に指定され、立入検査等が新たな業務として追加された。これを受けて、同年4月に中央水産研究所に「水産遺伝子解析センター」を設置し、同解析センターが既存施設により遺伝子組換え魚介類の生物検査を行うことになった。

  しかし、カルタヘナ法に基づく検査はセキュリティ管理など、厳密な運用規定の下で行われるもので、厳しい国際基準を満たす必要があり、厳密性に欠ける既存施設の流用では不十分であった。また検査試薬も厳重に管理され、検査室専用のものを使う必要がある。

  そのため中央水産研究所では、新たに国際基準を満たした「遺伝子組換え魚介類検査室」を、今年1月に水産遺伝子解析センター内に完成させたわけである。

  同検査室では、人の入退室をカード登録で厳密に行い、すべて記録に残すようにした。また薬品や検体についても、指紋認証により試薬保管庫、冷蔵庫の開閉を行うなど厳しく管理・チェックしている。検査終了後の検体試料については処分し、外部に出ないように管理している。

  検査室全体は、組換え体の封じ込めのため、バイオハザードレベルP2の環境を維持したクリーンルームとなっている。クリーンルーム内の作業には一方向の作業動線を持たせ、各実験室での作業内容は厳密な仕分けをしている。

  検査室の業務は、カルタヘナ法により承認を受けた遺伝子組換え魚介類(LMO=遺伝子組換え生物)の判別、未承認のLMOの混入検査、さらには、妥当性確認が要求される組換え体・種・品種・集団判別DNA検査などである。

  水産物ではまだないが、すでに鑑賞魚では遺伝子組換えのメダカやゼブラフィッシュが国内に入ってきた例がある。今回の検査室ができる前に、水産遺伝子解析センターでは、依頼されて蛍光タンパク質遺伝子を組み込んだメダカの判別検査を行った実績がある。水産物でも、いつまでもその侵入がないとはいえない。

  しかし、検査目的とするDNAを増幅して判別する現在のPCR法では、検出できないLMOもある。そのため新たな検査法の研究開発が必要であり、検査能力を向上させるための新たな組換え体検知法の開発も、今回の新検査室の大事な役目となっている。

  一方の「海洋データ解析センター」は、海況予測モデル(FRAーJCOPE)の運用や、日本周辺海域の海況予測システムの開発、その基礎になる広域海洋データの収集・解析を効率的に推進するための全国対応の研究拠点として、昨年11月1日に発足した。

  漁獲量の減少など、近年の水産資源の変動要因解明や、地球温暖化の影響評価等には海水温、海流、海洋生物の動態等を、数値シミュレーションで解析するモデル研究が急務である。同センターは、そうした研究を進める拠点として活動している。

  FRAーJCOPEは、実際の水産業に利用できるシステムで、全国の水産試験研究機関における定線データを利用することで、従来より予測精度をアップして、昨年4月から運用を開始した。現在、資源変動の要因解析をはじめ、漁海況予報、大型クラゲ出現予測などに活用されている。(科学3月7日号1面)



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