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黄砂を1粒子単位でリアルタイムに分析
【ナノテク】発信:2008/05/07(水) 09:30:07
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東京大学環境安全研究センターの戸野倉賢一准教授、名古屋大学太陽地球環境研究所の松見豊教授らは、東京に飛来した大陸由来の黄砂粒子を1粒子単位でリアルタイムに化学成分解析することに成功した。多くの黄砂には、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)など大気汚染物質が付着していることがわかった。
黄砂は、東アジア・中央アジアの砂漠地帯の砂塵が偏西風に乗って、韓国や日本、太平洋、北米にまで飛来するというもの。近年、日本でも観測日が増加し、砂塵による太陽光の反射・吸収や汚染物質の吸着・輸送などの大気環境への影響や人体への影響が懸念されている。
従来の黄砂分析法は、ポンプで空気を吸引して粒子をフィルターに集め化学分析するものだったが、吸引時間が長かったり、個々の粒子が吸引中に混合・変質してしまう問題があった。また、詳しい成分分析もなされてこなかった。
研究グループでは、大気中に漂う微小粒子・エアロゾルを採取し、それを1粒子ごとにリアルタイムで分析できる装置を開発し、東大本郷キャンパス(東京都文京区)内で、黄砂が飛来した3月17〜19日に観測を行った。観測に利用したレーザーイオン化個別粒子質量分析計は、エアロゾル1粒子にレーザーを照射、イオン化して化学成分を測定できる。約1.5秒に1粒子を測定できる高時間分解能を持ち、非揮発性成分(金属等)も見い出すことができる。
期間中、約5万個の粒子を観測。うち10〜20%が黄砂と思われる土壌由来粒子で、そのほとんどにNOxやSOxなどの人為起源の汚染物質が付着していた。
17日晩から18日朝までにおよそ2万個の粒子を観測。そのうちの9000個の粒子と、新宿御苑に設置されている粒子観測装置LIDARで観測した粒子を比べたところ、黄砂と思われる粒子が同時に増える時間帯があった。現在、松見教授らは、福岡県でも黄砂による太陽光の吸収や反射などについて集中観測をしている。
さらに、今回の観測では、有機物が付着した土壌由来粒子も確認できたため、真空紫外イオン化レーザーと気化レーザーを組み合わせて有機物成分を検出しやすくする装置改良も行っているという。
2、3年後の実用化に向けて微粒子検出装置の研究を進めている。同装置の開発には、JST先端計測分析技術・機器開発事業から支援を受けている。(科学、4月11日号7面)
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