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NTTが新原理の半導体素子を開発
【ナノテク】発信:2008/05/13(火) 23:01:17
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〜髪の毛より細いバネの振動でデジタル演算〜
NTTの物性科学基礎研究所は、半導体のチップ上にある髪の毛より細い板バネを1億分の1mという極めて微細な幅で振動させ、その周期のずれ用いてデジタル演算を行うという、新しい原理による半導体素子を世界に先駆けて開発することに成功した。この半導体素子は、板バネの小さな振動で演算するため、同研究所では、現在のトランジスターを基本とした集積回路よりも、数桁小さな消費電力で動くコンピューターの開発の可能性があると期待している。同成果は、ナノマシンによるデジタル演算の「具体的な」方法を世界で初めて提案、実証したものとして、英国の科学誌「ネイチャー・ナノテクノロジー」誌電子版(4月13日付)に掲載された。
新開発した半導体素子の心臓部は、長さ250μm(1μmは100万分の1m)、幅85μm、厚さ1.4μmという小さな板バネである。今回は、この細い板バネが、約10nm(1nmは10億分の1m)という極めて小さな幅で振動する時の「周期のずれ」を、「0」と「1」のビット情報に対応させ、1ビットの基本的な演算を行うことに成功したものである。
具体的には、板バネに沿って周期的な力を加えて振動させる。最初に「上に曲がった」場合と、「下に曲がった」場合で振動の周期がちょうど半分ずれるため、半分だけずれた板バネの振動を「0」および「1」のビット情報に対応させ、デジタル演算を行うという原理である。
実際にはミクロの板バネを手でつかめないため、別の方法で力を加える素子を同研究所では開発した。これは、わずか1千億分の1ワットの電力で、半導体上の板バネの振動を自在に制御・検出できる半導体素子である。
電極Aに小さな電圧を加えることで、板バネに沿った力を生み出し、これにより、10pW(1pWは1兆分の1W)、つまり1千億分の1ワットという極めて小さなエネルギーで、10nmの微細な振動を引き起こし、その運動を検出することができる。
この素子を実際にデジタル演算に用いるには、隣の板バネのビット情報を、別の板バネに引き渡す具体的な方法が必要である。しかし今回は、図の電極Bに擬似的にビット情報を入力し、電極Aに周期信号を加えて板バネに振動として情報を蓄積した後、電極Cから電気信号を取り出した。このような素子を連結すれば、板バネでデジタル演算が実際に行えるという。
今回の開発では、最も基本的な1ビット動作を確認できたことから、同研究所では今後、現実的なデジタル演算の実現に向けて、複数の素子を結合させた動作を確認していく予定だ。(科学、4月25日号1面)
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