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重要文化財の海獣葡萄鏡の立体映像・感触・音をリアルに再現
【IT】発信:2008/07/08(火) 12:05:24
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〜NICTの超臨場感提示技術〜
情報通信研究機構(NICT)は視覚、聴覚、触覚などの多感覚情報を統合して、何もない空間に3次元物体の実物を仮想的に再現する多感覚インタラクションシステムを用いて、高松塚古墳から出土した「海獣葡萄鏡(かいじゅうぶどうきょう)」の立体映像・感触・音をリアルに再現することに成功した。これにより、これまでガラス越しに見ることしかできなかった貴重な文化財を、インタラクティブに体験できる新しい展示システムの実用化に目処をつけた。
NICTユニバーサルメディア研究センターでは、「超臨場感コミュニケーション技術」の研究開発の一環として、多感覚インタラクションシステムを研究開発している。これは、実際には何もない空間に、あたかも3次元物体があるかのように立体映像が見えたり、触ったり、叩くと音がしたりするシステム。
原理は、まず実際の物体の立体形状、画像、接触音を取り込んでコンピュータ内に3次元物体の仮想モデルをつくる。この仮想モデルに触るためのペンを用意する。ペンには位置センサが付いていて、仮想モデルとの接触状況を測る。ペンは自在に動く(3自由度の)アームで繋がっており、接触状況に合わせた感触を再現し、アームを介してモータの力でペンに伝える。 立体映像は、立体視用メガネの右眼と左眼の画像を高速に切り替えて合成する技術で再現して見せる。また、さわり具合や叩き具合に合わせた接触音も再現する。
例えば、目の前の仮想の太鼓をペンを持って叩くと、本物の革をたたく感触と音が忠実に再現されて伝わり、本当の太鼓を叩いているかのような超臨場感を味わうことができる。
今回、この技術を用いて国の重要文化財として指定されている「海獣葡萄鏡」の立体映像、感触、音響のリアルな再現に成功したものである。
高松塚古墳から出土した海獣葡萄鏡は、鏡の背面に葡萄唐草紋をめぐらせ、獣や鳥や虫をちりばめた図案をもっている。今回はこれを見事に再現した。立体映像として見えるだけでなく、表面を擦ったり叩いたりすると接触音がリアルに聞こえ、その音から鏡の材質さえ感じ取れる。ペンで鏡を回転させて、様々な角度から鏡の表裏を観察でき、鏡を回すときに重さも体感できる。
今回の技術は、博物館などの展示をはじめ、学校等におけるリアルな体験学習などにも応用できる。(科学6月27日号1面)
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