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ナメクジウオのゲノム解読背骨動物の起源明らかに
【バイオ】発信:2008/07/10(木) 10:37:06
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京都大学、国立遺伝学研究所、国立情報学研究所、理化学研究所は、米国JGI、オックスフォード大学など5カ国、18研究機関と共同でナメクジウオのゲノム解読に成功し、それに基づき、ヒトなど背骨を持つ動物(脊椎動物)とその近縁の動物群を含んだ“脊索動物”の中で、ナメクジウオが一番最初に現れた脊索動物であることを明らかにした。ネイチャー(6月19日号)に掲載された。
動物は、背骨(脊椎)を持つ脊椎動物と、昆虫や貝類など背骨を持たない無脊椎動物に分けられる。脊椎動物は、尾索動物のホヤ、頭索動物のナメクジウオ等と、まとめて『脊索動物』と呼ばれている。脊索は、脊索動物の胚で見られる棒状体で、高等な脊椎動物になると脊椎が脊索に置き換えられる。
ナメクジウオは、頭部から尾部まで筋肉組織でできた脊索がある。体長は30〜50mmで、外見は魚に似ており粘液を出す。世界的には約30種類いるとされているが、日本近海では3種類が確認されている。
これまで脊索動物の進化過程では、脊索動物共通の祖先から、幼生の尾に脊索があるホヤのような付着性の動物が一番最初に分岐し、その後、頭索動物、脊椎動物が分岐していったとされていた。
今回、全ゲノムショットガン法でナメクジウオのゲノムを解析し、全ゲノム約5億塩基対の配列を決定。その中から約2万1600個の遺伝子を見つけた。ゲノムの大きさはヒトの6分の1だが、ヒト遺伝子組成とよく似ていることもわかった。また、1塩基多型(SNP)も多く見つかり、挿入・欠失の違いを含めると多型を示す領域がゲノム全体の10.5%を占めた。この値は、これまで調べられた生物種の中で最も高い。
ナメクジウオと脊椎動物のゲノムの間では、染色体上のある程度の遺伝子の並び順(シンテニー)が非常によく保存されていた。このシンテニーの解析から、ナメクジウオには、ヒト遺伝子にも含まれる脊索動物染色体の基本型となるような17本の染色体構成も保存されていた。また、ナメクジウオゲノムの染色体断片の1箇所が、脊椎動物ゲノムの4箇所の染色体断片に対応しており、進化に伴いゲノムの重複が2回起こっていたことがわかった。既にゲノムが解読されているホヤでは、ゲノムが大規模に再構成・脱落していることから脊椎動物との進化関係を見いだせていなかった。
今回、ナメクジウオの全ゲノムを他生物とで比較したことで、脊索動物で3グループに分類されている動物の関係性が明確になり、共通祖先の特徴をより色濃く残すのが頭索動物だということをゲノムレベルで証明した。また、70年代に大野乾氏が提唱した、脊椎動物で全ゲノムが重複することが進化に有利に働いたという仮説を裏付けられたことになる。(科学、6月27日号4面)
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