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梯子格子状の鉄酸化物、兄弟グループ合成に成功
【その他】発信:2008/07/15(火) 14:21:06
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京都大学大学院理学研究科の陰山洋准教授らの研究グループは、高輝度光科学研究センターの『SPring−8』を利用し、”平らな配位”の鉄原子が二本足の梯子状構造(梯子格子)をつくる酸化物の合成に世界で初めて成功した。
合成された物質はSr3Fe2O5(五酸化二鉄三ストロンチウム)。すでに同グループでは、昨年、3次元的な構造(ペロブスカイト構造)から酸素を抜いて層状構造を得ているが、今回は2次元的な構造(層状ペロブスカイト構造)から酸素を抜いて梯子構造を得ている。
陰山准教授によると「昨年得た試料(SrFeO2)は空気に対して安定なのですが、今回得たSr3Fe2O5は空気に対して不安定で、存在するあるいは取除いた酸素の量や位置を決めるのには通常のX線回折は不向きとされています。そこでSPring−8の高い強度と分解能をもった粉末X線回折装置を用いることで合成できました」としている。
昨年得た平面四配位の鉄構造の発表の際には、偶然できただけではないかという見方もあったという。今回の発見で鉄の平面四配位は安定に存在し、これから同様の配位の鉄の化合物が次々とできると考えている。また、今後の機能性のある(役に立つ)鉄化合物の探索の新機軸になるのではとされているだけに、磁性材料、固体燃料電池材料などに優れた機能の発現が期待される。さらに一連の梯子格子とそのスピン依存性を系統的に調べることが可能となっただけに、一次元から二次元の総合的な理解が加速され、高温超伝導の発現機構の解明にも役立つものと注目される。
陰山准教授の話「今回得た梯子上にスピンが並んだ構造は、一次元と二次元を結ぶことから与える物理学上大切な概念です。2本足の梯子(世の中の通常の梯子)ですが、テンプレートでさらにかえることで1本足、2本足、3本足、4本足と、足の数を増やした物質を作ることが原理的に可能です。したがって、一次元の物理に対し、一連の梯子の性質を調べることによって、まだわからないことだらけの二次元を理解する助けになると考えています」(科学、7月4日号1面)
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