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グリーンランド氷床コアを分析、短期間で急激な気候変動
【その他】発信:2008/07/18(金) 18:15:51
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最終氷期から現在の間氷期への移行期(1万5500年前〜1万1000年前頃)のグリーンランドで、2回に及ぶ急激な気候変動の過程と、その気候変動が極めて短期間(数年から数十年)に起きたことが明らかとなった。この成果、日本をはじめ世界9カ国が参加して行われた『北グリーンランド氷床コア掘削計画』(NGIRP)の中で、氷床コアにおける酸素同位体比、過剰重水素、ダストなどの年単位以下という高時間分解能の分析から得られたものだ。
これまでこの移行期に、ヤンガードライアイス期(1万2900年〜1万1700年前頃)と呼ばれる一時的な寒冷期を挟んで急激な温暖化が2回(1万4700年前頃、1万1700年前頃)が起こっている。この2回の温暖化が数十年間という短い期間で起きたことはわかっていたのだが、気温や海水温等の個別の変化がどのような順で、どのような時間スケールで起きたのかは不明であった。計画に参加した国立極地研究所の東久美子准教授によると「何といっても分析手法の格段の進歩があり、今回の成果につながったと思います。非常に細かく分析することで年代の決定精度がよくなったのです」という。
計画では、グリーンランド内陸部(北緯75.1度、西経42.3度、標高2921m)の地点の岩盤まで到達した全長3084.99mの氷床コアを得ている。分析の結果、ヤンガードライアイス期を挟んだ2回の急激な温暖化は、まずグリーンランドのダストの降下量が減少し始め、その後、グリーンランドの降水の起源となる海水の温度が1〜3年という短期間で2〜4度低下し、最後にグリーンランドの気温が1回目の上昇では3年程度で、2回目の上昇では50〜60年の間で約10度上昇したことが明らかとなった。
グリーンランドに降下したダストの量がまず変化(減少)し、その後海水温とか気温が変化している。しかも海水温の変化が速かった。その原因はある特定の場所の海の温度が下がったのではなく、水蒸気の起源海域が変わったためであるとしている。これらは熱帯収束帯(赤道付近に形成される低気圧帯)が北に移動したことによるもので、北半球の大気の循環の様子が変わったということを意味するものだ。「そのような変化がわずか3年とかで起きたことが驚きです。今後の地球温暖化を考える上で、今回の移行期のデータと現在の気候の条件とは異なることが少なくないかもしれませんが、気候変動が今まで考えられていたよりももっと速い時間スケールで起きることがあり得るのだということを示しています」。(科学、7月11日号1面)
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