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コメ大きさ決定する遺伝子を発見、日本のお米の起源に新説
【バイオ】発信:2008/07/22(火) 13:15:12
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イネにはいろいろなサイズのおコメをつくる品種が存在している。農業生物資源研究所(農生研)は、農林水産先端技術産業振興センター農林水産先端技術研究所および富山県農業研究所と共同で、お米の粒の幅の決定に関する遺伝子を発見することに成功した。
研究グループでは、日本晴(ジャポニカ)とカサラス(インディカ)の品種間差の原因となる遺伝子とその変化に関して、特殊な遺伝解析(QTL解析)を行い、そこで検出された複数の遺伝子座の中で、一番大きな効果のあった遺伝子座を”qSW5”と名づけ、高精度な連鎖遺伝解析を行い、qSW5遺伝子のゲノム上の位置を特定、形質転換法による相補実験でこの遺伝子が原因であることを突き止めた。
研究者の一人、農生研植物ゲノム研究ユニットの井澤毅主任研究員によると「qSW5遺伝子は、イネ種子(コメ)の外側の籾の横方向の細胞の数を調整することで、籾の大きさ(幅)が変わり、結果として、コメのサイズを変えることができることが明らかとなったが、その予測遺伝子産物からは生化学的な機能に関する知見は得られなかった」という。ただ日本晴で、1kbpほどの欠失変異が存在し、その欠失が原因で、qSW5の遺伝子機能が失われることで、幅が大きくなることがわかった。
この欠失変異がいろいろなイネ品種のコメのサイズの変化と関係があるかを調べるために、アジアの各地域で育成されたイネ在来種(古い品種)のこの遺伝子の変化を確認したところ、ジャポニカイネの栽培化過程での初期の変異の一つであることを示唆する結果を得られた。
トータルでジャポニカイネを中心とした142系統のイネ在来種に関して、ゲノムワイドなDNAの多型情報と育成起源地情報と、さらに、qSW5遺伝子欠失の有無、炊いたコメの粘りを決める遺伝子(澱粉合成酵素)Wxや脱粒性関連遺伝子qSH1のキーとなる遺伝子変化も調べ、情報を統合的に解析したところ、ジャポニカイネの起源に近い在来種が、インドネシアやフィリピンの品種であり、そこに起こった栽培化遺伝子の変化が組み合わさりながら、イネが日本に伝播してくる様子をDNAの変化から明らかにすることができた。また、qSW5変異は、コメのサイズを大きくして、収量性があがるため、この変異を古代人が選んで栽培したことも推定できたとしている。
井澤主任研究員の話「インディカイネとジャポニカイネで利用された重要遺伝子の変化が異なることも明らかになったが、このことは、ジャポニカイネの栽培化で使われた変異をインディカイネの育種に利用する、つまり、”栽培化遺伝子の再利用”が現実的に可能であることも示唆している。事実、今回、カサラスで機能しているqSW5遺伝子をRNAi法で機能を弱くしたイネ形質転換系統では、玄米の一粒の平均重が増加している。こういった研究から、作物としてのイネの更なる改良が進むと考えられる」(科学、7月11日号4面)
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