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高性能超伝導線材の新製法マルチロッド法開発
【その他】発信:2008/07/25(金) 14:10:45
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東海大学工学部の太刀川恭治教授の研究グループは、高磁界発生用超伝導線材『Nb3Sn:ニオブ3・スズ』の製造法において、従来のブロンズ法に比べて、格段に優れた性能と線材加工に伴う生産コストの大幅な低減を実現する新しい製法”マルチロッド法”の開発に成功した。
今回開発したマルチロッド法は、Snに20原子%程度のTa(タンタル)の粉末を混合して反応させることにより作製した合金棒をNbのシース(鞘)に挿入したものを多数本束ね合わせ線材に加工し、熱処理をして作製するものだ。
Nb3Snは、高磁界を発生できる唯一の商用超伝導線材。18テスラ級超伝導マグネットに広く用いられている。現在のマルチロッド法同線材は、太刀川教授が開発したブロンズ法(Nb3Snは硬く脆くて直接加工できないため、CuとSnの合金とNbの複合体を線引き後、熱処理して線材を作製する方法)によって作製されているが、性能に限界があり、加工コストもかかっていた。また、Sn‐Ta系合金シートを用いたジェリーロール法(加工性に富む薄い2種の金属シートを重ねてうずまき状に巻き込んだ複合体をシースにいれて線引き後、熱処理して超伝導線材を作製する方法)によるNb3Sn線材も太刀川研究グループが発明したもので、20テスラ以上の超高磁界での応用の道を開いた。
マルチロッド法はまさにこれらの方法を進化させたもの。ジェリーロール法同様に、22テスラの磁界中で1平方mmあたり約120Aの超伝導電流が流せるなど、ブロンズ法線材では望めない性能が得られる。線材にする際、1mのものを100mに延ばそうとすると、ブロンズ法では何回も焼き鈍しをしなければならなかった。ジェリーロール法ではそれが不要なため手間と時間がかからなくてすむ。マルチロッド法はさらに性能がよくてさらに手間もはぶけるようになった。例えば、同じ線材を製作するのにブロンズ法では1カ月かかったとするとジェリーロール法では5日、マルチロッド法となるとその1/5ですむという。
太刀川教授の話「今はブロンズ法が主流となっていますが、マルチロッド法を次世代の線材製造法ととして発展させていきたい。実用となると1kmといった線材を造らなければなりませんが、研究室レベルでは100m程度からはじめ、将来的には1kmといった実用レベルにもっていきたい」(科学、7月18日号1面)
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