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殺菌効果が高い深紫外光で連続出力10mW達成
【その他】発信:2008/07/29(火) 14:47:32
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理化学研究所知的財産戦略センターの高効率LEDデバイス研究チームの平山秀樹副チームリーダー、藤川紗千恵氏らの研究チームは、窒化物半導体を使って殺菌効果が高い波長280nmの紫外光を世界最高の連続出力10mWで発する発光ダイオード(LED)を開発した。7月6〜9日に伊豆で開催された第2回窒化物半導体結晶成長国際シンポジウムで発表した。
波長200〜350nmの深紫外光を発するLEDや半導体レーザは、殺菌や医療応用、公害物質の高速分解処理、高密度光記録、各種センシングなど、幅広い分野での応用が期待されている。例えば波長260〜280nmの紫外光は、大腸菌などバクテリアを直接殺菌する効果が高く、また、酸化チタン光触媒を使った汚染物質分解を効率よく進めるには波長260〜380nmの紫外光が適している。
これまで、これら深紫外光源は、大型で寿命が短く高価な、ガスや固体を使ったレーザやガスランプしかなかった。近年、小型で長寿命、さらに安価な、半導体を用いた深紫外高出力LEDやレーザの開発が進んでいる。その材料として、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系半導体材料は、高効率発光が可能で、波長200〜360nmと広い発光範囲を持ち、材料が硬質なため長寿命でヒ素・鉛・水銀を含まないことから注目を集めている。
しかし、このAlGaN結晶は、結晶欠陥が多いため発光効率が1%程度と、高出力化が困難だった。そこで研究チームでは、AlGaN結晶にインジウム(In)を数%添加することで、結晶内でIn組成がナノメートルオーダーで不均一に分布するIn組成変調効果を持ったInAlGaN4元混晶を用いるなどして、高効率発光を目指していた。
殺菌に用いることができる波長280nmという短波長の実現には、InAlGaN結晶中のアルミニウムの組成比を50%以上にしなければならない。今回、結晶が成長する際に窒素とガリウム、アルミニウム、インジウムの供給比を変化させ、アルミニウム組成比が50%を上回るInAlGaN結晶を高品質に成長させることに成功。量子井戸発光層にシリコンを注入して発光の高効率化を図り、波長280nmで推定80%以上の内部量子効率を実現。さらに、これまでAlGaN結晶では低濃度とされていたp型ホール濃度もInAlGaN結晶にすることで、AlGaN結晶と比べ約5倍の高出力化に成功した。
これらの性能向上により、殺菌波長帯282nmで、世界最高出力となる室温連続動作10.6mWを達成した。
今後、発光領域の高品質化や素子の実装による放熱と光取り出し効率の向上を図り、さらに素子の冷却を考慮したLEDのパッケージ化等により、現状の100倍程度(数ワット)の出力の向上を目指すという。
今回の高出力深紫外LEDは、市販のイルミネーション用LEDと比べても高出力で、出力をさらに向上させれば携帯用の小型殺菌灯をはじめ、医療やバイオなど多くの分野で、私たちの生活に直接役立つレベルでの実用化が期待される。
なお、今回研究が行われたプログラムは、理研の研究資産を活用して、企業とそのニーズに合った共同研究を実施するもので、4月現在6チームが活動中。今回の成果を出した『高効率LEDを用いた照明用デバイスの研究』では、松下電工(株)と連携。(科学、7月18日号4面)
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