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地震予知と火山噴火予知、観測研究計画を統合
【その他】発信:2008/08/04(月) 15:26:34
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昭和40年代から行われてきた地震予知と火山噴火予知のための観測研究を、平成21年度から統合し、観測研究と新たな観測技術の開発を進めるとともに、地震・火山現象の予測システムの開発を主眼とした計画へとシフトする。科学技術・学術審議会(会長=野依良治・理化学研究所理事長)は、「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画の推進について」を取りまとめ、関係大臣へ建議した。
日本は世界有数の地震・火山国であり、これまで数多くの地震災害や火山噴火災害に見舞われてきた。こうした災害から国民の生命・財産を守るためには、地震や火山噴火を理解し、適切な防災・減災対策につなげていくための研究が不可欠だ。
地震予知に関する研究は、昭和40年から計画的に推進され、地震の発生場所・規模や繰り返し時間間隔に関する知見など、数多くの成果をあげてきた。また火山噴火予知に関する研究は、昭和49年から始まり、特定の火山では前兆現象をほぼ確実に検出可能になるなど、大きな成果をあげてきた。
それぞれ独自の研究計画で進められてきた地震予知と火山噴火予知に関する研究だが、実は共通の地球科学的背景がある。例えば、日本列島周辺で海洋プレートが沈み込むことで、プレート境界の浅部では巨大地震が発生し、列島下の上部マントルではマグマが生成。火山活動の予測にはマグマ供給系の解明が重要であり、そのためには火山体の深部構造の理解が重要で、また内陸地震の発生解明にも地殻の不均一構造の理解が不可欠である。
これまでの研究の進展により、地震と火山とが密接に関連する地殻とマントルの諸過程を統一的に理解するための研究の道が開けてきたことから、従来の研究を継続させるとともに、2つの計画を統合した研究が必要と判断し、平成21年度からの5カ年計画では両者を統合することになった。
計画では、予測システムの開発をより明瞭に指向した研究に重点をおき、地震・火山現象予測のための観測研究、地震・火山現象解明のための観測研究、新たな観測技術の開発、計画推進のための体制の強化―という4項目を柱としている。
その中心となる予測のための観測研究では、日本列島全域に整備された観測網により、地震活動・地殻変動・火山活動を的確にモニターし、予測に有用な情報を収集するとともに、大地震の発生や火山噴火の可能性の高い地域では、モニタリング観測項目の多項目化、観測点の高密度化や観測データの実時間処理システムを一層整備する。
地震発生予測システムについては、地震発生に至る物理・化学過程の理解に基づいて、プレート境界の応力・ひずみ等の推移を予測するシミュレーションモデルを構築する。常時モニタリングによる観測データを、予測シミュレーションモデルに取り込む手法を開発し、データ同化実験により予測を試行する。同時に、これらのシミュレーションを継続的に高度化していくため、地震発生の物理・化学過程に関する基礎的なシミュレーション研究を推進。統計モデルや物理モデルに基づいて地震活動を評価し、時空間的に高分解能な地震活動評価を行う手法を開発するため、地震活動予測手法の妥当性を評価・検証する仕組みを構築する。
火山噴火予測システムについては、これまでの火山噴火予知研究の成果に加え、地質調査・解析による噴火履歴の解明等に基づき、噴火シナリオを日本の主要な活火山について順次作成する。モニタリングによる観測データから火山活動の評価を行い、噴火シナリオに基づく火山活動の推移予測を試行する。さらに、過去の噴火活動時の観測データの詳細な検討や研究成果に基づいて噴火シナリオの高度化を図る。
また、地震・火山活動を解明して予測するために、日本列島及びその周辺域の地震・火山現象の基礎データベースを構築するとともに、データの流通を図る。同時にそれらの情報を統合化し、地殻活動予測シミュレーションに活用するとともに、噴火シナリオに基づく噴火予測に活用することを目指す。
地震・火山現象解明のための観測研究については、地殻やマントルで進行している諸過程の正しい理解とそのモデル化のため、基礎的な観測研究を継続的に推進する。また、新たな観測技術の開発や既存技術の高度化によって、地震・火山現象に関する理解を飛躍的に促進する。
さらに、これらの計画を着実に推進していくため、基礎的な観測研究体制の強化、計画を実施するための予算的措置、人材の確保、特に若手研究者の養成、国際共同研究・国際協力の推進、成果の社会への還元など、体制強化を進めていく。
自然を理解することは科学の本質であるが、地震や火山といった複雑な現象の理解には非常に長い時間が必要となる。今回の建議は、これまでの数十年間営々と行われてきた観測研究などでそれらに対する理解が進み、ようやく次の段階に進んできたことを明確に示すものとなった。来年度から始まる計画でどのような成果が生まれるのか期待が集まる。(科学、7月25日号1面)
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