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UV/VUVの新光学材料、Fドープ・コアフリーYAG
【その他】発信:2008/08/27(水) 17:02:41
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物質・材料研究機構光材料センターの島村清史・光周波数変換グループリーダー、ガルシア・ビジョラ主任研究員らは、第一電通新規材料研究部の桑野泰彦グループリーダーと共同で、結晶成長条件の適正化によってコアをなくし、さらにフッ素(F)をドープした、真空紫外領域で高屈折率を有する光学素子「Fドープ・コアフリーY3Al5O12(YAG)」単結晶を開発した。
コアをなくしたことで、屈折率分布が均質なレンズなどの光学素子の製作ができるようになり、Fのドーピングにより透過率の向上も可能となった。さらに、この結晶は193nmで2.1という大きな屈折率を示すことも明らかになった。
紫外・真空紫外領域(UV/VUV)において、レンズを中心とする光学素子の材料の選択肢は限られている。とくに、立方晶系の材料に限定した場合、その数はさらに限られるので、産業応用の次世代露光装置等の半導体関連機器、また顕微鏡やカメラなどの光学関連機器においては、UV/VUVで利用可能な新しい光学材料が必要とされている。
今回開発されたFドープ・コアフリーYAGは、UV/VUVにおける新たな立方晶系の光学材料で、この領域における材料選択に幅を持たせることができるようになると期待される。
研究グループは、ガーネット系材料の中で透過率がLu3Al5O12(LuAG)よりもよくないとされてきたYAG単結晶を改めて見直すことからスタートした。LuAGとYAGはどちらも同じガーネット型構造を持っている。まず、レンズ材料として利用するには屈折率の均一性が必要で、コアフリー化が問題となるが、これは結晶成長条件の適正化により達成した。
次の課題は透過率の向上で、LuAGのように原料や坩堝材、保温材など、結晶育成にかかる部材の高純度化による育成結晶の高純度化、それによる透過率の向上は必ず必要である。それでも酸化物系ガーネットの吸収端が193nmに近いことから、193nmでの透過率向上には何か別の方策が必要と考えられた。そこで、酸化物ガーネット結晶であるYAGにFをドープしてみたところ、透過率の向上が得られた。高純度化以外の手法で透過率が向上できたことは、高屈折率レンズ材料の開発、とりわけ酸化物ガーネット結晶を対象とする開発研究には大きなインパクトとなる。また、YAGの屈折率を詳細に測定したところ、193nmにおけるLuAGの屈折率2.1435に対し、YAGはLuAGと同程度、あるいはわずかに上回る2.1452という結果が得られた。(科学、8月8日号4面)
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