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2型糖尿病関連遺伝子発見、日本人発症の2割に関与
【バイオ】発信:2008/09/05(金) 11:20:19
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理化学研究所ゲノム医科学研究センターの前田士郎・内分泌代謝研究チームリーダーらは、オーダーメイド医療実現化プロジェクトで実施した解析結果から、日本人を始めとする東アジア人では最も強力な2型糖尿病関連遺伝子KCNQ1を発見した。KCNQ1遺伝子のSNPの違いから糖尿病リスクは約2倍にも上昇するという。ネイチャー・ジェネティックスのオンライン版に8月17日掲載された。
日本国内で糖尿病を強く疑われる人は約740万人おり、糖尿病予備軍は約880万人いる。糖尿病関連の医療費は年1兆777億円であり、総医療費の4.6%にものぼる。成人で発症する2型糖尿病は、糖尿病の85〜95%を占めているが、その発症には遺伝的な要素(なりやすい体質)が関係していることが分かっている。これまでの研究で、欧米人の2型糖尿病の有力な関連遺伝子TCF7L2などは報告されているが、日本人を始めとした東アジア人の2型糖尿病の強力な関連遺伝子は知られていなかった。
研究チームは、オーダーメイド医療実現化プロジェクトが収集し、バイオバンクジャパンに登録されている1561人の糖尿病患者と2824人の一般対象者の試料を解析。06年から約27万カ所のSNPを解析し、糖尿病との関連が有力な9カ所のSNPを、機能未知な遺伝子やKCNQ1遺伝子を含む6遺伝子の中から発見。これらのSNPを、滋賀医科大学など15施設から提供された2型糖尿病患者3588人と一般対象者1352人で検証した結果、KCNQ1遺伝子のSNPが2型糖尿病の発症と強く関連することを発見した。
KCNQ1遺伝子をさらに詳細に調べた結果、KCNQ1には、2型糖尿病の発症とさらに強い相関を示す6カ所のSNPがあることを発見した。最も相関の強いSNPでは、日本人では過去に類を見ない強力な相関があることが分かった。さらにKCNQ1遺伝子はシンガポール、デンマークでも強力な2型糖尿病関連遺伝子であることが分かった。
日本人の一般対象者1352人で、このSNPを調べたところ、このSNPが0本の人は15%、1本が49%、2本が36%いた。1本増える毎に1.3〜1.4倍糖尿病リスクが高まる。危険対立遺伝子頻度が約60%であることから、人口寄与危険度を計算すると日本人では2型糖尿病全体の2割の人の発症にかかわっているという。
欧米人の糖尿病患者には著しい肥満がみられ、インスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性が主な原因とされているが、東アジア人の糖尿病では肥満の程度は軽く、インスリンそのものの分泌が悪くなるインスリン分泌低下が主な原因と考えられている。今回発見したKCNQ1遺伝子は、東アジア人における強力な2型糖尿病関連遺伝子であり、インスリン分泌に関わっている可能性があるため、新しい糖尿病治療薬の標的として期待される。
前田チームリーダーは「リスク診断はまもなく可能になるだろう」と話しており、ハイリスクの人を対象に積極的な予防対策を行うことで、日本人の糖尿病患者を減らすことができるだろう。(科学、8月22日号4面)
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