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ひび割れを自ら閉ざす自己治癒コンクリート
その他】発信:2008/09/30(火) 17:10:51  

  コンクリート構造物にとって”ひび割れ”は大敵。特にトンネルなど地下水に触れるところでは、漏水対策や定期的な補修費用に悩まされてきた。これを解決する技術が開発された。東京大学生産技術研究所岸研究室、横浜国立大学細田研究室、JR東日本フロンティアサービス研究所の共同研究グループは、コンクリート自らがひび割れを能動的に自己治癒するセメント系材料の開発に取り組み、長期材齢でひび割れが発生しても、その後の水の供給により、急速にひび割れを自己治癒させることに成功した。

  これまでセメント中の水酸化カルシウムが二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムを生じたり、セメントの未反応部分が流れてきた水と追加反応することなどにより体積膨張を起こし、ひび割れが自然に修復することが希にあったという。同グループでは、これに着目し、水とセメントとの比率(水セメント比)を低くして未反応部分を多くし、これに膨張剤を大量に加えて自己治癒させる技術を開発した。ただこのやり方では、コストがかさんでしまう。そこで通常の水セメント比でも自己治癒できる新しい方法を実現した。

  その方法の基本的な考え方は、◇膨張剤、◇膨潤する材料、◇ひび割れ部分に析出した生成物の結晶性を高める材料の3つの材料を添加し、その複合効果により自己治癒させるというものだ。この技術より作製されたセメントペーストを120日から200日後放置した後にひびを入れ、水に浸すと、最短3日でひび割れが自己治癒した。

  岸利治准教授の話「将来的には、地下構造物における漏水対策としての防水工事やひび割れの補修工事を不要にすることを目指している。また、地上構造物の場合でも、雨や散水によるひび割れの自己治癒が期待される」

  この成果は、NEDO技術開発機構の産業技術研究助成事業の一環で達成された。(科学、9月19日号1面)



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