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無線技術応用の大容量長距離光ファイバ通信技術の実験成功
【IT】発信:2008/10/14(火) 11:14:43
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〜毎秒13.4テラビットを3600km伝送、将来の基幹網構築に有望〜
NTT未来ねっと研究所は、光ファイバ中を伝わる光信号の波形崩れを元の形に戻す光学分散補償をせずに、1本の光ファイバで毎秒13.4テラビット(Tbps:テラは1兆)の大容量光信号を3万6000km伝送することに成功した。これは2時間のハイビジョン映像134本分を、1秒で伝送できる最先端技術。デジタルコヒーレント信号処理技術など無線技術を応用して実現した。
大容量・長距離基幹通信回線として通信事業者が構築している現在の光バックボーンネットワークでは、1本の光ファイバに1Gbpsの信号を波長の違う光約100波に乗せて同時に送る、100チャネル規模の波長多重(WDM)伝送システムで1Tbps以上の伝送を実現している。
同システムでは、伝送途上で弱まった光信号を増幅する光増幅器を中継装置として伝送路上に設置している。そのため、さらに大容量の1チャンネル当たり100Gbpsに高速化した10Tbps以上のデータを1000km以上も長距離伝送するには、中継装置の間隔を短くしたり、中継装置ごとに伝送信号波形の歪みを戻すための光学分散補償ファイバを設ける必要があり、雑音特性の劣化を招いたり、部品点数増大や光中継器制御の複雑化にともなうコスト高を招くという課題があった。
そこで、そうした10Tbps規模のバックボーンネットワーク構築を実現させるには、中継装置を長くして中継装置の数を少なくしたり、光学分散補償ファイバを設置しない伝送技術の開発が求められている。
今回NTT未来ねっと研究所が開発した技術は、無線技術に応用されているデジタルコヒーレント信号処理技術、直交周波数多重変調を応用するとともに、帯域拡大・低雑音光増幅技術として拡張L帯2次ラマン分布光増幅中継と呼ばれる技術を用いたものである。
これにより、受信感度の向上や低雑音化、電気信号処理速度の負荷軽減などをはかり、光学分散補償をせずに、中継間隔も80kmと従来より延ばすことで、1チャネル111Gbpsの光信号を134チャネル波長多重して13.4Tbps、3600kmという世界最大容量長距離光ファイバ通信に成功した。
従来、10テラビット級の伝送実験としては、光学分散補償を用いた方式により16.4Tbpsを、60km中継で2550km伝送したアルカテル・ルーセントの実験が最高記録だった。伝送能力を表す「容量距離積」(通信容量と伝送距離の積)も、41.8Pbps・kmで過去最高であった。
今回のNTTの技術は、光学分散補償なしに、これを上回る世界最長記録を達成した。「容量距離積」も毎秒48.2ペタビット・kmで上回った。同研究所の宮本裕・主幹研究員は「将来の大容量・長距離光バックボーンネットワークを構築するのに有望な技術」と説明している。
今後の実用化へ向けた課題としては、実験システムでオフライン処理により計算機処理している「デジタルコヒーレント信号処理」のハードウェア化などがあり、今後はその開発などに取り組み、100Gbps級の超高速長距離伝送技術の確立を目指すという。(科学、10月3日号1面)
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