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体内時計のネットワーク、培養細胞で人工的に構築
【バイオ】発信:2008/10/21(火) 17:50:29
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理化学研究所発生・再生科学総合研究センターシステムバイオロジー研究チームの上田泰己チームリーダー、鵜飼(蓼沼)磨貴テクニカルスタッフ、機能ゲノミクスユニットの粕川雄也研究員らの研究グループは、培養細胞を用いて人工的に”体内時計“のネットワークを構築し、生体内で『昼』と『夜』を再現することで、ネットワークの設計原理を明らかにした。ネイチャー・セル・バイオロジー電子版に9月21日(英国時間)掲載された。
体内時計システムは、多くの生物種に存在し、ほ乳類では、睡眠・覚醒、血圧・体温など広く生理機能に影響を与えている。
研究グループではこれまで、ほ乳類の体内時計システムの要素として、朝、昼、夜のスイッチとなる3つの制御DNA配列と約20個の時計遺伝子(転写制御因子も含む)を同定するとともに、これら2要素による制御が複雑に絡み合った体内時計システムの設計図を作成している。しかし、この設計図で完全な体内時計システムが再現できるかどうかは証明されていなかった。
今回、システムの詳細を解析するため、ほ乳類の培養細胞と人工の転写制御因子(人工転写活性化因子、人工転写不活性化因子)、人工の標的プロモーターからなる、人工の転写制御ネットワークを構築した。
人工の転写制御因子は、酵母とウイルスの転写因子を組み合わせ作成。酵母の転写制御因子(GAL4)を不活性化因子に、またGAL4にウイルスの転写活性化領域(VP16)を融合させたGAL4−VP16を活性化因子にした。これらは、それぞれ、朝・昼・夜に発現するようになっている。人工の標的プロモーターには、GAL4に結合する配列(UAS)を配置。プロモーターが活性化するとタンパク質dLucが作られることから、これがプロモーターの転写出力のサインとなる。
研究グループでは、人工転写制御因子が働く時刻の組み合わせを様々に変化させ、プロモーターのサインが出る時刻を観察した。
その結果、朝に発現する転写活性化因子と、夜に発現する転写不活性化因子が昼を作り出す必要最小限の条件であり、昼に発現する転写活性化因子と朝に発現する転写不活性化因子は、夜を作り出す最小限の条件であることが明らかになった。これは設計図で当初から予測されていた構造による制御と一致する。また、朝・昼・夜という基本時刻の転写制御因子を組み合わせるだけで、発現のピークを様々な時刻に合わせて設計できることもわかった。
今回、体内時間が決定される仕組みが解明され、ほ乳類の体内時計システムへの理解が進んだことから、体内時計の異常によって引き起こされる疾患に関する新たな診断・治療法の開発へつながると期待される。(科学、10月3日号4面)
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