「産学連携」では、最近のテクノロジーの動向、企業・大学の技術開発の動き等をタイムリーに紹介していきます
|
|
|
 |
ライフサイエンス分野データベース11年度から一元化
【バイオ】発信:2008/12/16(火) 14:37:00
|
文部科学省は、ライフサイエンス分野のデータベースを2011年度から一元化し、新たなデータベース提供機関を整備する方針を固めた。ライフサイエンス情報基盤整備作業部会が来年1月、ライフサイエンス委員会に報告する。DNAやタンパク質など膨大なデータが日々生み出されている中、ライフサイエンス研究にはデータベースの効果的な活用が重要になっているが、競争的資金等では研究期間終了後にデータが散逸してしまう可能性があるため、恒久的なデータベース提供機関を発足させる。
DNA塩基配列の読み取り速度の向上やタンパク質の立体構造、遺伝子の発現など大量のデータが生まれているなかで、データベースを活用することなくライフサイエンス研究を推進することは事実上困難になってきている。
また、研究プロジェクトで生み出された大量のデータは、数多くの論文として公表されるものの、その一次データ自体を各研究室でデータベース化しているだけでは、その再利用による効率的な研究は行われないことになる。
現在、iPS細胞が脚光を浴び、国を挙げての研究開発が進められている。そのiPS細胞を作成するための遺伝子を特定するため、山中伸弥教授が活用したのが、理化学研究所がウェブ上に公開している、組織・細胞特異的に発現しているEST(Expressed Sequence Tag)のデータベースだ。山中教授は「このデータベースがなければ遺伝子を絞り込むことは難しかった」と話している。 ことほど左様に、データベースの整備は、新たなイノベーションを生み出す基盤として重要だといえる。こうしたことから、欧米ではすでに国家レベルでのデータベース整備が進んでいる。
米国では、88年にNIHの米国立医学図書館(NLM)の一部門として国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)が整備され、NCBIを中心としたデータベースの集中管理を目指して多額の予算が投入されている。欧州でも、欧州分子生物学研究所(EMBL)から欧州バイオインフォマティクス研究所(EBI)が92年に発足し、各国のデータベースを横断的に利用できる活動を進めている。
日本では、総合科学技術会議の主導で、文部科学省が06年度から統合データベースプロジェクトを発足させた。情報・システム研究機構のライフサイエンス統合データベースセンターが中核機関となって、データベースの統合化と情報技術の開発やポータルサイトの整備を行っている。しかし、これは5年間のプロジェクトであり、10年度には終了してしまう。
一方で、科学技術振興機構バイオインフォマティクス推進センター(JST―BIRD)が、ライフサイエンス分野の基盤的なデータベースや新たなデータベースの研究開発を推進するためのファンディングを行っており、必ずしも国として一枚岩になっているとは言い難い。また、欧米に比べて予算規模も小さい。
そこで文科省は、ライフサイエンス委員会の中に作業部会を発足させ、今後の体制整備のあり方を検討してきたが、11年度から新たなデータベース提供機関を発足させ、競争的資金ではなく運営費交付金などの安定的な経費で恒常的に運営していく方針を固めた。統合データベースプロジェクトは10年度末までに4省統合データベースを整備することとしており、それを引き継いでデータベースを提供していく。JST―BIRDは廃止し、そのデータベース提供機能を新組織が引き継ぐ。
また、データベースの研究開発については他のファンディングで対応し、新組織では管理やサービスの提供、あるいは統合化や高度な検索のための技術開発に特化することで、より使いやすいデータベースを提供していく。(科学、12月5日号1面)
|
| |
知財情報局または情報提供各社による記事の無断転用を禁じます。
|
|
|
| Copyright 2002 Braina Co., Ltd. All Rights Reserved.
|
|